5月の成約額も業界トップクラス、収益見通しがさらに明確化

現地コード 銘柄名
00813

世茂房地産控股

(シーマオ・プロパティ)

株価 情報種類

 32.90HKD
(6/2現在)

 株価
 企業情報
 チャート

 不動産情報サービスのCRIC(克而瑞)のデータによれば、世茂房地産の成約伸び率は5月も引き続き、大手・中堅デベロッパーの中でトップを維持した。月間成約額は前年同月比36.7%増の220億元。1-5月の累計では前年同期比11.6%増の803億元と、同業銘柄の多くがマイナス成長に沈む中、2桁増を達成した。年率換算の物件成約率は、同社が年初に予測した60%を上回っており、BOCIは20年通期の成約額が同社目標の3,000億元(前年実績比15%増)を上回るとみる。また、新型コロナウイルス収束後の建設工事の再開という点からも、同社が優れた手腕を発揮したと高く評価。20年上期には早くも、コアベースで増益を確保する見通しを示した。収益見通しがより明確化したことや、不動産セクター全体のリスク低減を指摘。主に力強い成長観測や健全なバランスシートを理由に目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対して強気の見通しを継続している。

 BOCIは新型コロナウイルスの流行による20年6月中間決算への影響について、相対的に軽微とみている。早期に建設作業の再開にこぎつけたことが理由だ。同社経営陣によると、進捗状況の遅れは全プロジェクト平均で42日と、業界平均の1.5-2カ月より明らかに短期にとどまったという。これは同社の成約伸び率を業界トップに押し上げただけでなく、20年中間期の利益成長にも寄与する見込み。BOCIは中間期のコア純利益が前年同期比1桁台のプラス成長を確保すると予想。20年12月通期に関しては、前年比20%超のコア増益が見込めるとしている。

 5月の成約額は前年同月比36.7%増、前月比では3.7%増となる220億元。続く6月は前年同月実績が284億元の高水準にあるものの、BOCIは新規プロジェクトの分譲開始による効果で、少なくとも5%増を達成するとみる。また、年率換算の物件成約率は年初に予測した60%を超える水準。通期の分譲対象物件が総額5,000億元に上る見通しから、通期の成約額は60%の3,000億元を超え、自社目標を達成する可能性が高いとした。一方、5月の平均分譲価格(ASP)は1平方メートルあたり1万7,450元強と、4月並みを維持した。

 BOCIは成長見通しの明確さとセクター全体のリスク低減を理由に、目標株価の算出基準とする対NAV(純資産価値)ディスカウント率を25%から20%に上方修正し、目標株価を引き上げた(基準となる1株当たり予想NAVは48.97HKドル)。同社の現在株価は20年予想PBR(株価純資産倍率)で1.3倍、20年予想PERで8.3倍、対NAVディスカウント率は32.8%。BOCIは高成長見通しや、20年の予想ROEが17.4%に上ること、さらに健全なバランスシートを理由に、現在株価の値ごろ感を指摘。株価の先行きに対し、強気の見通しを継続している。