コロナ・ショックによる株価急落から2カ月あまり。日本株の反発上昇が止まりません。この上昇に乗れた人と乗れなかった人がいるでしょう。両者の違いはどこにあるのでしょうか?
コロナ・ショック前の水準を超える銘柄が続出
日経平均株価は2万2,000円台を突破し、3月の安値からは30%以上の反発となっています。
マザーズ指数は驚異的な上昇となり、2カ月余りでおよそ2倍にまで上昇、コロナ・ショック前の水準どころか、2019年の高値さえ上回っています。
個別銘柄をみても、コロナ・ショック前の水準を軽々超え、上場来高値を更新し続ける銘柄がいくつもあります。
しかし、この株価上昇にうまく乗ることができた人は、少ないのではないでしょうか。
個人投資家はどのような状況にあるのか
個人投資家の状況を大別すると大きく4つに分類できます。
(1)順調に上昇相場に乗れている
(2)安いところで買えたがもう売ってしまった
(3)株を買うことができず上昇相場に乗れていない
(4)逆に空売りをしていて損失が膨らんでいる
特に(1)と(3)の違いが重要です。なぜ株を買うことができなかったのか、その理由を突き止めなければ今後も同じことの繰り返しになってしまいます。
筆者が個人投資家に話を聞いたところ、再び株価が下落するのが怖くて買えなかった、という意見が圧倒的に多かったです。
つまり、コロナ・ショックによる株価急落後、多少株価が反発したとしても再び株価が下げに転じると思っていたのです。
確かにニュースをみれば「米国では世界恐慌を超える失業者数」、「航空会社が相次いで破たん」、「飲食店の閉店続出」、「新型コロナウイルスの感染第2波は必ず来る」など、足元の景気が最悪で今後の見通しも明るくないと強く感じてしまいます。
そのこと自体は間違っていないのですが、株式投資をするのであれば、足元の実体経済と株価の動きは異なることが多いという点は絶対に理解しておかなければなりません。ここが理解できないと、特にバブルのような大きな上昇相場に乗ることができなくなります。
ポイントは「株価についていく」こと
(3)株を買うことができず上昇相場に乗れていない人は、実体経済の悪さを見て、株価が大きく上昇することはあり得ない、と思ってしまったため、株を買うことができなかったと思います。
これを避けるには、純粋に「株価の動きについていく」ことが必要です。
確かに、今の実体経済と株価の動きは一致していません。しかし世界各国の追加的金融緩和により、バブル相場が生じる素地ができていたのも事実。
となれば、たとえ足元の景気が最悪で今後の見通しも不透明であったとしても、株価が底打ちして上昇を始めたならば、その動きに逆らわずについていくべきです。
確かに筆者も二番底や底割れを強く懸念していましたので、全力でとはいきませんでしたが、今回の株価上昇にそれなりに乗ることができています。それは、足元の景気が最悪でも株価が上昇トレンドになったら買い、上昇トレンドが続く限り保有する、ということを淡々と実践しているからです。
もし株価の動きに素直に従い、行動できていたならば上記の(1)から(4)のうち、自ずと(1)順調に上昇相場に乗れているの行動につながるはずです。
(2)安いところで買えたがもう売ってしまったは買うこと自体は成功でしたが、早めに売ってしまったわけですから、上昇トレンドが続く限り持ち続ければ解決できます。
(4)逆に空売りをしていて損失が膨らんでいるは株価の動きに完全に逆らっているわけですから、そうした行動を避け、株価の動きに従って動くようにすれば解決できます。
もし今から買うならどう動くべきか?
今回の株価上昇にうまく乗れなかった、という方が最も気になっているのが「今から買っても大丈夫?」という点だと思います。
ここまでの株価上昇をすでに見せているわけですから、いつ上昇が終わってもおかしくありません。
その一方で、2005年や2013年に匹敵するような壮大なバブル相場に発展するのであれば、今から買っても報われることになります。
したがって、「いつ上昇が終了するか分からない」「壮大なバブル相場になるかもしれない」という2つを両にらみしたうえでどう動くかを決めるのが良いと思います。
具体的には出遅れ銘柄や25日移動平均線からのかい離率が小さい銘柄を買うということです。そして25日移動平均線を割り込んだら速やかに売るようにします。
このルールに従い行動すれば、もしここから本格的なバブル相場になったとしても、買った株の株価上昇という恩恵を受けることができます。逆に、株価上昇が終了してしまったとしても、25日移動平均線割れの売却・損切りによりダメージを最小限に防ぐことができます。
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