株価が10倍になるテンバガー株。その候補になる株を買ったら、その後はどうすればよいのか? ただ単に10倍になるまで待てばよいというわけではないのです。

意外と語られていないテンバガー株を「買った後」

 基礎知識編銘柄探し編とテンバガー株(株価が10倍に上昇する株)の基本的な知識、考え方、銘柄の見つけ方についてお伝えしました。

 今回は、テンバガー株を語るときに、見落とされがちな「買った後どうするか?」、つまり買った後の売り時についてお届けします。

 買った株が首尾よく上昇しテンバガーになることももちろんありますが、そうならないケースの方が圧倒的に多いです。

 株価は上昇したけれどもせいぜい2倍くらいにしか上昇しない場合や、値下がりを続けてしまうこともあります。

 つまり、テンバガー株を考える際には、買ったらその後売るのか売らないのか、売るとしたらどうやって売るのかについても考えておく必要があるのです。

買った後は「持ち続ける」か「途中で売るか」

 大きく分けると、買った後のアクションとしては「ずっと持ち続ける」「途中で売却する(その後の買い直しも含めて)」のいずれか。

 もし、買った後株価が値上がりを続けているようであれば、そのまま持ち続けてもよいと思います。

 しかし、意に反して株価が買値を下回って値下がりするような場合は、事前に決めた損切りルールに従って、損切りを実行するべきでしょう。

 株価10倍になるまで粘って持ち続けた結果、逆に株価が下落を続け、損失が拡大するようでは元も子もありません。

「この株は株価10倍になる!」と思っても、値下がりしたなら損失が小さいうちにいったん売却し、次の買い時を待ったり他の銘柄にシフトするなど再度仕切り直しをしたほうが良いと思います。

 買った後株価が上昇したなら保有を続ければよいですが、逆に株価が下がったなら損失が大きくならないうちに損切りをすることを心掛けるようにしてください。

買った後に株価が上昇したらどうするか?

 次に、首尾よく買った後に株価が上昇したら具体的にどうするかをあらかじめ考えておく必要があります。

 なぜなら、テンバガー候補株を買っても、実際にテンバガーにならないケースの方が圧倒的に多いはずだからです。

 中には、2~3倍くらいまでは上昇するものの、そこから失速して、しまいには買値すら割り込んでしまうこともあります。筆者もそのようなケースを何度も目にしています。

 したがって、筆者であれば、株価上昇にはとことんついていくものの、下落の兆候が見えたらいったん降りる…この繰り返しでテンバガーを目指します。

 具体的には、25日移動平均線を割れたらいったん売却ないしはヘッジの空売りを入れ、再度25日移動平均線を超えたら買い直します。

 これを繰り返すことにより、天井までついていくことができますし、もしも低い天井で頭打ちになったとしても、大きな損失を避けることができます。

買値を上回る限り保有継続という方法はどうか?

 もう1つの考え方として、買値を上回っている限りは、つまり含み益である限りは保有を続ける、という方法もあります。この方法を取れば、利益の多寡はともかく、少なくとも損失を避けることはできます。

 実は筆者も、テンバガーになるまで保有を続けてみよう、と思い実際に実行したことがあるのですが、株価が数倍になった後下げに転じ、結局は含み益を全て吐き出すことになってしまいました。

 かなりの額の含み益が消えてなくなったことに、かなりショックを受けたことを今でも覚えています。

 こうした経験もあり、筆者は25日移動平均線を基準に売買をすることとしています。もし25日移動平均線だと買ったり売ったり忙しい…という場合は、13週移動平均線や26週移動平均線を用いてもよいと思います。

まとめ:結果的なテンバガーを目指すべき

 まず、ずっと持ち続けるという方法は、かなりリスクが高くなります。持ち続けた結果、もちろんテンバガーを達成するケースもありますが、そうならないことの方が圧倒的に多いはずです。

 逆に、持ち続けることにより多額の含み損や損失を被ってしまう恐れがあります。

 そして、利益である限り持ち続けるというのも、テンバガーに達せずに株価がピークアウトした場合、下手をするとせっかくの多額の含み益を取りこぼしてしまいます。

 したがって、25日移動平均線でも13週移動平均線でも、別のサインでもよいのですが、株価が下降トレンドに転じたところでいったん売却するのが健全かつ確実と思います。

 そして、まだ株価が天井をつけていなければ再度上昇トレンドに転じるので、そこで買い直しをすればよいのです。

 逆に、株価が天井をつけ下げに転じるならば、上昇トレンドにならないので、下降トレンド転換で売却した後の利益の縮小や損失の発生を心配しなくてよくなります。

「何が何でもテンバガーになるまで売らないぞ!」というのはリスクが相当高いです。

 テンバガー株の候補銘柄を買い、上昇トレンドの間は保有し、下降トレンドになったらいったん売却、再度上昇トレンドになれば買い直す…。この繰り返しにより損失を小さく抑えつつ利益を伸ばし、結果としてテンバガーを達成する、というのが最も確度の高い方法なのではないかと思います。

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