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国内での新型コロナウイルスの新規感染者数が大きく減少していますが、国内の『新型コロナ検査』の件数は少なく、今後に備える意味からも検査体制の拡充が急務となっています。こうした中、既に実施されている「PCR検査」に加えて、簡易検査キットを使って短時間、低コストの「抗体検査」や「抗原検査」、医療従事者の感染リスクが小さい唾液での「PCR検査」などが始まり、検査数の加速が期待されています。
【ポイント1】検査手法の多様化により、『新型コロナ検査』の拡大が期待される
国内の「PCR検査」の検査数が伸び悩んでいます。のどの奥などの粘液を採取する「PCR検査」は、機器や試薬の不足、技術が必要なため人材が限られることや医療従事者の感染リスクなどが増加のネックになっていました。そのため「PCR検査」の拡充に加えて簡易検査など手法の多様化も求められていました。
厚労省は5月13日に簡易検査キットを使って診療所などで実施でき、新型コロナのたんぱく質を調べて感染を判定する「抗原検査」を認可しました。また唾液を検体に使うPCR検査法も5月中にも認める方向です。唾液による採取は簡単で、医療従事者への感染リスクも小さくなります。血液から新型コロナへの感染歴を調べる「抗体検査」も始まっています。企業の取り組みも進み始め、検査数の増加が期待されます。
【ポイント2】国内企業の取り組みも進展
5月13日、みらかホールディングスは子会社の富士レビオが新型コロナウイルスの抗原検査キットの製造販売承認を取得したと発表しました。約30分で感染しているかが判定でき、陽性の場合には確定診断として扱えます。一方、陰性の場合は「PCR検査」と併用することが必要となります。宇部工場で週20万検査分の生産体制を構築済みです。
タカラバイオは唾液から新型コロナウイルスの感染の有無を調べるPCR用検査試薬を発売します。約1時間で検査結果が判明します。厚労省の承認などを経て発売する見通しです。既に月200万検体分の量産体制を整えています。
【今後の展開】十分な検査結果に基づいた対応が望まれる
パンデミック(世界的大流行)の第2波も予想され検査体制の構築が必須の課題となっています。目的に応じて検査をうまく活用して『新型コロナ検査』が拡充していくことが期待されます。「抗原検査」は「PCR検査」より精度は劣りますが、陽性者を洗い出すことが可能で「PCR検査」を補完する簡易診断として有効です。また新型コロナへの免疫の有無を調べる「抗体検査」は、感染の実態を把握するのに有効です。十分な数の検査データに基づいて感染症対策と経済活動維持とのバランスをとった対応が行われていくことが望まれます。
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