気になるあの本をチェック!
臆病者のための億万長者入門
答えてくれた人
「週刊文春」編集部セクション班デスク 波多野文平さん
著者ってどんな人?
橘 玲さん
橘玲さんは、宝島社で編集者を務めた後、2002年に金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビューした作家です。小説を書くかたわら、金融リテラシーを高め、賢い投資術を身につけられる本書のような指南書を数多く発表し、いずれもロングセラーとなっています。近年は進化論、脳科学、行動経済学など面白くて使える新しい知を積極的に吸収し、その内容をわかりやすく、かみくだいて解説する著作も多数、執筆しています。
どんな人にオススメ?
タイトルどおり、「臆病者」(=聡明かつ慎重な方)にオススメです。投資に興味はあるけれども、始めるからには、ちゃんと勉強してからじっくりと取り組みたいと思っているうちに時間がたってしまって、何も始められていない方、株や投資信託と聞くと、「何だか怖い」と思っている方にぴったりの入門書です。
この本の、ここが読みどころ!
読みどころは、投資を始めるにあたって知っておくべき本質的な大原則が文系読者にもわかりやすく書かれていることです。
この大原則を知っておけば、あなたがどんなに複雑な金融商品に出合っても、どんなに弁舌さわやかなセールストークに聞きほれても、その本質(本当とウソ)を見抜けるようになります。
そんな大原則を身につけられる非常におトクな新書です。
大原則を一つ、二つご紹介しておきましょう。
一つ目は「うまい話は絶対にあなたのところに来ない」ということ(逆に言えば、「うまい話には、絶対に乗ってはいけない」)。本書を読めば、それがなぜかがわかります。
もう一つの大原則は、投資のリスクとリターンは必ず見合っていること。
ローリターンならローリスク、ハイリターンならハイリスク。
ハイリターンなのにローリスク(要するに「うまい話」ですね)な投資はありえません。
これらの大原則に照らして、本書は宝くじ、銀行の定期預金、株、投資信託、不動産、生命保険など、世の中に溢れる投資商品・金融商品には、あなたの虎の子を託す価値があるのか? を解き明かしていきます。この新書を読み終えれば、それを自分で判断する知恵が身につきます。
編集者の制作秘話
橘さんの文章は、非常に読みやすく、わかりやすいので、それを損なわないようにすることに注力しました。橘さんが選んだ本書に掲載されている図表は、見るだけで勉強になるはずです。
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