株価2倍で持ち株の半分を売れば投資元本が回収できる
買った株をどこで売るか、つまり「利食い」をどうするかは、個人投資家にとって永遠の課題です。あそこで売っておけば良かった…とか、もう少し持っておけば…と思うのは筆者もしょっちゅうです。そこで、機械的に利食いのルールを設定するというのも1つの方法です。
よく知られた利食いのテクニックとして「株価が買値の2倍に上昇したら持ち株の半分を売る」というものがあります。
税金や手数料等を無視すれば、持ち株の株価が買値の2倍になったところで売れば、当初の投資元本を回収できることになります。つまり、残りの半分の持ち株は簿価ゼロで保有していることとなるのです。その後いくら株価が下落しようとも、損失が生じることはありません。
将来何が起こるか分からないのが株式投資の世界。投資元本は確実に回収しておこうと考えるなら、有用な方法の1つです。
1銘柄につき2単元以上投資することで選択肢が増える
では、株価2倍になったら半分売るという戦略を実行するために最低限必要なことは何でしょうか? それは「1つの銘柄につき2単元以上投資する」ということです。
「単元(たんげん)」とは上場株式を証券取引所で売買する際、銘柄ごとに定められた売買単位をいいます。現在、原則として1単元は100株となっていますから、200株買えば2単元となります。なお、ETFなどでは1口単位のものもありますが、その場合は2口以上買えばよいことになります。
1銘柄につき2単元以上購入すると、売り時についての選択肢を増やすことができます。
上述の買値から株価が2倍に上昇したら半分売るという行動のみならず、持ち株を売るべきか保有し続けるべきか決断することが困難な局面においても非常に有効となります。
迷ったらとりあえず半分だけ売却してみると結構気が楽になるものです。そしてその後の株価の動きにより、残り半分も売るか、保有し続けるか、もしくは売った分を再び買い直すかじっくり考えて決めればよいのです。
保有する単元株数が多ければ行動の幅がさらに広がる
保有する単元株数が多いほど、投資行動のバリエーションが豊富になります。例えば1銘柄につき4単元保有していれば、「売る」「保有を続ける」「4分の3を売る」「半分だけ売る」「4分の1だけ売る」という選択肢が可能です。
さらに、1銘柄につき10単元保有していれば、たとえば株価が買値の2倍になったところで5単元売却して投資元本を確保し、その後さらに上昇して買値から4倍になったときに3単元売却、残りの2単元は将来の株価大化けを楽しみに保有を続ける、ということもできます。
もちろん、紹介した株価チャートを使った売り時のタイミングを組み合わせても結構です(参考)。
株価が買値の2倍になって持ち株の半分を売却した後、4倍にまで株価が上昇せずに上昇トレンドが終焉したと判断できれば、残り半分の持ち株をその段階で売却してしまってもよいのです。
売却のしやすさという観点からは、例えば50万円の投資資金を、株価5,000円の銘柄に100株投資するより、株価1,000円の銘柄に500株投資する方が、売却方法のバリエーションが多い分行動しやすいのは間違いありません。特に投資資金の額にどうしても制約のある個人投資家の方は、銘柄選びの際に1単元の株数や、最低投資金額(株価×1単元の株数)も考慮してみてはいかがでしょうか。
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