3月の波乱相場が落ち着き、半値戻しを達成した4月の米株式市場!個人投資家の取引が多かった銘柄は?
4月の米株式市場は、3月のコロナ・ショックの波乱相場から落ち着きを取り戻し、上昇基調が続きました。特にアマゾン・ドット・コム(AMZN)やネットフリックス(NFLX)が上場来高値を更新するなど、IT関連株の上昇が相場をけん引しました。しかし、4月20日にはWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格が史上初めてマイナスとなる波乱もあり、まだ先行きに不透明感が残る相場となりました。そのような相場状況の中、個人投資家はどのような銘柄に注目し、投資していたのか、当社内で買付者数の多かった銘柄をランキングでご紹介します。
2020年4月米国株式買付者数ランキング
順位 | ティッカー | 前月順位 | 銘柄名 | 関連するテーマ | |
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1 | SPYD | 1 | SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF | ETF、高配当株式 | |
2 | KO | 4 | コカ・コーラ | 飲料、長期連続増配、ディフェンシブ | |
3 | T | 7 | AT&T | 通信、高配当、長期連続増配 | |
4 | VYM | 3 | バンガード・米国高配当株式ETF | ETF、高配当株式 | |
5 | HDV | 5 | iシェアーズ コア米国高配当株 ETF | ETF、高配当株式 | |
6 | GILD | 47 | ギリアド・サイエンシズ | バイオ医薬品、新型コロナ治療薬 | |
7 | XOM | 10 | エクソンモービル | 石油、高配当 | |
8 | DAL | 29 | デルタ航空 | 航空 | |
9 | VOO | 2 | バンガード・S&P 500 ETF | ETF、S&P500 | |
10 | ZM | 19 | ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ | IT、ビデオ会議、テレワーク | |
注釈:楽天証券内買付者数ベース。2020年4月1日~4月30日、国内約定日ベース。 |
4月の当社内米国株式の取引において、最も買付者数の多かった銘柄は、SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF(SPYD)となりました。高配当株式関連ETFの中でも配当利回りが比較的高く、株価も20ドル台ということもあり、投資のしやすさから人気を集めています。その他にも高配当銘柄が人気を集めていますが、2位にコカ・コーラ(KO)、3位にAT&T(T)が上がってくるなど、4月はETF(上場投資信託)よりも個別銘柄が人気だったようです。4月のランキングで最も注目したいのは、6位ギリアド・サイエンシズ(GILD)、8位デルタ航空(DAL)、10位ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)などのコロナ関連銘柄が前月からランキングを大きく伸ばしている点です。
上位ランキングで動きのあった銘柄は?
ギリアド・サイエンシズ(GILD)
6位のギリアド・サイエンシズは、医薬品の開発を行うバイオ医薬品会社です。ニュースなどでよく耳にする新型コロナウイルス治療薬候補のレムデシビルの開発を行っており、今、世界で特に注目を集めている企業の一つではないでしょうか。レムデシビルが同社の業績へ与える影響にも注目されており、買付者数のランキングで前月の47位から6位まで大きく伸ばしています。今後も新型コロナ治療薬の開発を手掛けるバイオ医薬品関連企業には注目が集まりそうです。
デルタ航空(DAL)
8位のデルタ航空は、新型コロナウイルス感染拡大で特に影響を受ける航空会社です。株価は、1月の直近高値62ドル台から22ドルほどまで下落し、直近高値の3分の1程度の水準まで下落しています。デルタ航空は著名投資家のウォーレン・バフェットも投資する銘柄でしたが、5月2日のバークシャー・ハサウェイの年次株主総会で、保有していた航空株を4月に全て売却したことを明らかにするなど、航空関連株は厳しい状況に置かれています。しかし、政府による支援もあり、最近の株価は横ばいで推移しています。まだ航空業界に良いニュースは聞かれませんが、新型コロナウイルス問題が収束した後の業績回復を期待する長期投資目的で投資されている方が多いのではないでしょうか。
ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)
10位のズーム・ビデオ・コミュニケーションズは、ビデオ会議システムを提供する企業です。新型コロナウイルス感染防止のためテレワーク(在宅勤務)を実施する企業が増えているなどの影響で需要が高まっており、追い風が吹いている企業です。株式市場全体が大きく下落した2月や3月においても株価は上昇していました。一時期、セキュリティーに問題があることが発覚し、株価は大きく下げる場面もありましたが、4月に入っても上昇基調は続いています。4月30日からナスダック100指数の構成銘柄に採用されるなど、今後も注目が集まりそうです。
ランキング外で動きのあった銘柄は?
アマゾン・ドット・コム(AMZN)
アマゾン・ドット・コムは4月の買付者数ランキングでは23位でした。新型コロナ感染拡大防止のため外出が制限されている影響から、ネット通販の需要が拡大し、同社の株価は4月に過去最高値を更新しました(過去最高値4月30日終値2,474.00ドル)。また、時価総額も再び1兆ドルを回復するなど、再び株式市場で存在感が増しています。4月30日の決算発表で、新型コロナウイルス感染拡大への対応費用として約40億ドルを充てる影響で、第2四半期の見通しについては5年ぶりの赤字となる可能性があると発表しましたが、同社の事業自体には追い風が吹いているものと思われます。ネット通販の需要拡大だけでなく、AWS(クラウドサービス)事業も伸びており(第1四半期は33%増の102億ドル)、今後も動向に注目が集まりそうです。
ネットフリックス(NFLX)
動画配信サービスを手掛けるネットフリックスも新型コロナウイルス対策で外出が制限される中、需要が拡大している企業です。4月の当社の買付者数ランキングでは55位という結果となりましたが、株価は過去最高値を更新するなど好調に推移しています。第1四半期で契約者数が1,577万人増加し、契約者数は世界で1億8,290万人となったようです。ディズニーやアマゾンなども動画配信サービスを提供するなど、競争激化が懸念されていますが、動画配信サービスなど巣ごもり需要の恩恵を受ける企業は今後も注目かと思います。
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