本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは107.41

下値メドは105.83

今朝の天気マークは「晴れ」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

米雇用統計、思ったほど
「悪くなかった」?

 先週金曜日、5月8日に米国の4月雇用統計が発表されました。米労働市場の非農業部門雇用者数は2,050万人減少。減少幅は戦後最大で2011年2月以来の低水準でした。そして失業率は10.3ポイント上昇して14.7%へ。月間の上昇率としては過去最大を記録しました。

 雇用はすべての主要産業部門で大幅に減少していて、特にレジャーとサービス業での雇用減少が目立ちました。新型コロナウイルスの世界的流行の影響とそれを封じ込めようとする努力が、雇用市場の大幅な悪化となって表れたといえます。

 一方で4月の平均労働賃金は上昇。前月比4.7%、前年比7.9%と大幅にアップしました。しかしこれは低賃金労働者が新型コロナの影響で大量に解雇されたことが理由で一概に良いとはいえません。

 指標発表後のドル/円は106.25円まで売られる場面もありましたが、すぐにリバウンドしてNY市場の引けにかけては106.75円まで上昇して、この日の高値をつけています。

 米雇用統計がこれほど悪化したのに、ドル/円が落ち着いているのはなぜか?  今日の注目通貨をご覧ください。

毎ヨミ!FXトップニュース

08日のドル/円のNY市場終値は106.69円

 07日の終値に比べ0.42円のドル高/円安だったので、今朝の天気マークは「晴れ」です。

今日は何の日(5月11日):

コンスタンティノープルが東ローマ帝国の首都になる(330年)
ロンドン条約によってルクセンブルクが独立(1867年)
オーストリア最大の銀行クレディット・アンシュタルトが取引停止(1931年)
ヨーロッパにおける世界恐慌が本格化する(1931年)
ノモンハン事件(1939年)
イスラエル諜報特務庁 がアドルフ・アイヒマンを拘束(1960年)
無限連鎖講の防止に関する法律 (ねずみ講防止法) 施行(1979年)
IBMのコンピューター・ディープ・ブルーが史上はじめてチェス世界チャンピオンのガルリ・カスパロフを破る(1997年)

今日の格言:

型破りな結果を残したいならば、まず基本となる「型」を勉強しなくてはならない。勉強するだけではなく、実践して自分のものにしなければならない。​

各国・各通貨トピックス

新型コロナ​ウイルス:
    オランダの大学がモノクローナル抗体の作成に成功。感染症治療として有望視
    NYの過去3日間での新型コロナウイルス入院患者 8割は自宅で過ごしていた
    フランス、5月11日に外出制限解除 ウイルスとの「共存必要」

ドル:
    米雇用統計、4月の就業者は▲2,050万人(統計開始以来最悪)
    米失業率、14.7%。戦後最悪
    カプラン・ダラス連銀総裁「失業率は20%程度まで悪化する可能性」
    ジョージア州が移動制限緩和。米経済再開のテストケース

航空業界:
    ブリティッシュエアウェイズ、パイロットの4分の1を解雇
    ポンド:ブリティッシュエアウェイズ、1万2,000人削減

円:
    日本は「ユルユル3密国家」 海外メディアが指摘

NY原油先物:
    世界第3位の石油消費国インドの石油備蓄量95%に達する

ユーロ:
    ドイツ憲法裁判所、ECB(欧州中央銀行)の量的緩和に「違憲判決」
    市場が失望。ECBはPEPP(パンデミック緊急債券購入プログラム)増額なし

ポンド:
    英政府「休職手当プログラム」の縮小を検討
    BOE(イングランド銀行)「第2四半期の経済成長はマイナス25%。年後半に急速に回復」

トルコリラ:
    トルコ、為替取引など金融取引に関する規制を大幅強化
    エルドアン大統領、米国に医療物資支援とトランプ大統領に書簡送る

南アランド: 
    S&P、南アを「BB-」に格下げ

その他:
    ザ・ビートルズ『レット・イット・ビー』発売から50年(5月8日)
    米ディズニーが新型コロナで14億ドルの大幅減益。上海パークは11日再開へ
    トランプ氏がマスクせずにマスク工場を視察

主要指標終値

出所:楽天証券が作成

本日の注目通貨

ドル/円: 

 4月のNFP(非農業部門雇用者数)は第2次世界大戦後最大となる2,050万人も減少しました。減少幅の大きさはもちろんですが、そのスピード驚きます。米国の失業率などは、ほんの数カ月前までは半世紀ぶりの低失業率を謳歌していたのです。それがあっという間に14.7%まで悪化。米国人の5人に1人が職を失ったのです。しかしマーケットの反応は落ち着いたものです。雇用統計がこれほど悪かったのに、ドル高になる理由はなぜか?

 第一の理由は、雇用統計が悪いことは、市場参加者はすでに知っていたから(まさか失業率が4%台と予想していた人はいないでしょう)。

 第二の理由として、マーケットの興味は、雇用統計がどれだけ「悪い」かよりも、どれだけ「早く」回復するかということへ移っていることです。4月の非農業部門雇用者数は2,050万人、失業率は14.7%という結果は、事前予想(2,100万人、16.0%)よりは「良かった」。先週1週間の失業保険の申請件数は316万件で、その前の週385万より減りました。実際のところ、新規の失業保険申請件数は4週連続で減少して、雇用市場はすでに底を打ったという希望の兆しも見えています。これがドル買いにつながったといえます。

 指標発表後のドル/円は、106.25円まで売られる場面もありましたが、すぐにリバウンドしてNY市場の引けにかけては106.75円まで上昇して、この日の高値をつけました。

 とはいえ、上値が重い状況は継続。高値は5月4日(月曜)以来107円には届いていません。米労働市場から2,050万人の仕事がなくなった。失業率が14.7%に上昇した。予想より良かったからと言っても、これらの数字自体の深刻さが減るわけではありません。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

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◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。

※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。

※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。