新型コロナと暖冬が逆風、収益見通しを下方修正

現地コード 銘柄名
03998

波司登国際控股

(ボスドン・インターナショナル)

株価 情報種類

1.90HKD
(4/24現在)

 株価
 企業情報
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    BOCIは波司登国際の収益予想を見直し、20年-22年度(3月決算)の予想売上高、予想純利益をそれぞれ前年比7-9%、21-27%減額修正した。新型コロナウイルスによる受注への打撃に加え、長期視点でのより慎重な見通しを反映させた格好。これに伴い、目標株価を引き下げる半面、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。今秋にも好材料が浮上するまで、当面は株価回復の勢いを欠く可能性を指摘しながらも、現在株価の低バリュエーションや配当面の魅力(配当性向70%超、20-22年度の予想配当利回りは3.6-5.8%)に言及している。

 同社店舗の大半は旧正月(1月25日)以降に一時休業を余儀なくされたが、4月半ばまでには、うち7割強が営業を再開した。また、工場に関しては全体の80-90%が操業再開にこぎつけた。旧正月休暇から3月31日(決算日)までの売上高は例年、通期の約10%を占めるが、BOCIは20年3月期に関しては、この部分がほぼ全面的に消失したとの見方だ。ただ、経営陣は販売店在庫が低水準にあることや、クイックレスポンス・システムによるスピーディな在庫処理が可能であることを理由に、過剰在庫を懸念する必要はないとしている。一方、OEMビジネスに関しては、BOCIは20年3月期分の大半がすでに確定したと予想(年度上期に集中する)。新型コロナによる受注減の影響は、続く21年3月期決算に顕在化するとみている。

 同社は19年度に前年比16.9%の増収を達成したが、経営陣は20年度も増収ペースの減速は予想されないとしている。また、21年度に関しても、旗艦ブランドの増収率が前年比20-30%に達するとみる。同社株価は19年12月後半から現在に至るまで低迷しているが、これは主力のダウン衣料にとって逆風となる暖冬や、旧正月が例年より前倒しで到来したという季節要因、新型コロナによる店舗の営業停止といった複数のネガティブ材料によるもの。BOCIによると、経営陣は旗艦ブランドの今期の売上高、平均販売価格について積極的な成長目標の設定を見送り、より堅実な発展を目指す可能性があるという。

 BOCIはダウン衣料の収入想定値の引き下げに伴い、20-22年度の予想売上高を7-9%減額修正。同時に、20年、21年、22年度の旗艦ブランドの増収見通しを、それぞれ前年比25%、22%、15%に引き下げた(修正前は35%、24%、15%)。また、19-22年度の年平均増益率を24%から15%に修正したのに伴い、目標算出ベースを21年度予想PER(株価収益率)23.0倍から20.0倍に変更し、目標株価を下方修正した。一方、今後のレーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、暖冬と屋外活動の停滞を受けた消費者心理の低迷、販売費が予想外に膨らむ可能性、レディースウエアブランドをめぐって、のれん減損を計上する可能性の3点を挙げている。