イエレン議長は、昨日(26日)の講演で、利上げを前向きに検討している旨の発言をしました。今月のFOMC(連邦公開市場委員会)以降、マーケットでは急速に12月利上げ観測が盛り上がっていましたが、イエレン議長は、「期待していいよ」といってくれたように思えます。

 ただドル/円の盛り上がりはイマイチでした。112円後半は、今週何度も試しにいっているのですが、なかなか上抜けできない状態が続いています。

 マーケットの目はユーロに向いているようで、ユーロ/ドルは大幅下落。メルケル首相は新しい連立政権の組閣に苦慮しているようです。組む相手によっては、メルケル首相は、ギリシャ債務免除や移民問題で、大幅な譲歩を強いられることになりそうで、そのことがユーロの売りを加速させているようです。


デイリーピボット

 デイリーピボットは、先週のレンジを元に、今日のレンジを予想するテクニカル指標です。今持っているポジションの利確や損切りレベルの参考として、あるいは新しいトレードのエントリーポイントとして、FXマーケットでも多くのトレーダーが利用しています。

 今日のドル/円のピボット・ポイントは、112.07円です。
ピボットとは「回転軸」という意味で、このレベルを相場の強気と弱気の転換点と考えます。レートがピボット・ポイントより上で取引されているときは、ドル/円の相場は強気が優勢、下にある場合は弱気が優勢と考えます。

 今日の上値ライン(レジスタンス)は、112.65円、113.06円、下値ライン(サポート)は111.67円、111.09円です。

 

ピボットの計算とトレードアイデア

 ピボット・ポイントは、前日の高値と安値と終値を平均して求めます。このレベルを相場の強気と弱気の転換点と考えます。

 このピボットに、ピボットから前日の安値までの値幅を足したレベルが、第1レジスタンス(R1)になります。前日下げた幅と同じ程度の反発はあるだろうと仮定して、そこを最初の上値メドと考えます。

 第1サポート(S1)は、ピボットから前日の高値からピボットまでの値幅を引いたレベルです。前日上げた幅と同じ程度の反落はあるだろうと仮定して、そこを最初の下値メドにしています。

 ピボットでは、今日の相場は、おおよそ、これらのレジスタンスとサポートのレンジ内で推移するだろうと考えます。しかし、それ以上に相場が大きく動くこともあります。

 そこで、ピボットには、HBO(上値ブレークアウト)とLBO(下値ブレークアウト)と呼ばれるレベルが設定されていて、この水準を越えて相場が動いた場合には、新しいトレンドが始まったとみなします。

 下の図のように、たとえば、HBOをストップに、第1、第2レジスタンスで売り上がる、あるいは、LBOをストップに、第1、第2サポートまで買い下がる、といったようなトレードが考えられます。ただし、あくまでも一例であって、決して利益を保証するものではありません。トレードは自己責任でお願いいたします。