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新型コロナウイルスの感染が欧州や米国など世界各地に拡大しており、国内でも感染拡大が加速する事態を想定し、医療の即応態勢を整える必要性が高まっています。ただ海外に比べ国内の検査数が少ないとの指摘があり、検査体制の拡充が急務となっています。このため既に実施されているPCR検査に加えて、簡易検査キットを使って短時間で新型コロナウイルスに対する抗体の有無が分かる『抗体検査』に注目が高まっています。
【ポイント1】新型コロナの感染拡大で『抗体検査』の注目が高まる
海外に比べ国内の検査数が少ないとの指摘があり、検査体制の拡充が急務となっています。検査方法の内、従来から実施されているPCR検査はウイルスの有無から感染しているかどうかを調べます。一方『抗体検査』は、体にウイルスに対する免疫が備わっているかを調べます。『抗体検査』は指などから少量の血液を採取して、簡易検査キットを使って行い、PCR検査に比べ短時間で結果が分かります。
新型コロナは感染しても8割の人は軽症で済むとされており、『抗体検査』を実施すれば、どのくらいの割合の人がすでに感染したかを分析できます。また、免疫保持者を特定できる可能性があるため、経済活動の再開に向けた判断材料の一つとして注目されています。
【ポイント2】国内外で『抗体検査』実施の動き
『抗体検査』の取り組みは欧米が先行しています。ニューヨーク州は4月20日から、1日2,000件と全米最大規模の『抗体検査』を始めました。これにより客観的なデータを蓄積し経済活動の再開時期を探ります。抗体を持つ人を絞り込んで外出制限を緩めれば、再び感染が広がるリスクを抑えながら経済活動を再開できるとみられるからです。
国内でも加藤勝信厚生労働相は4月17日の記者会見で、新型コロナの流行状況を把握するため、『抗体検査』に着手すると表明しました。厚労省は月内にも始められるように準備を進めており、対象地域や規模を詰める方針です。
【今後の展開】PCR検査と『抗体検査』による検査の拡大が期待される
韓国のように徹底した検査が、コロナウイルス拡大阻止につながったとみられる例もあり、わが国でもPCR検査と『抗体検査』をうまく組み合わせながら、よりよい運用の仕方、診断の効率化などを図っていくことが期待されます。ただ、新型コロナは、回復後に再び陽性になるケースが出ているとのWHO(世界保健機関)の報告があるなど科学的に不明なことが多く、今後も調査、研究が重要となります。
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