抗がん剤に強みを持つ有望銘柄、新たな成長サイクル入りへ
現地コード | 銘柄名 |
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01177 |
中国生物製薬有限公司 (シノ・バイオファーマ) |
株価 | 情報種類 |
11.24HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国生物製薬の経営陣はこのほど、20年1-3月期の経営状況について最新情報を明らかにした。BOCIは同社が特許を持つ抗がん剤アンロチニブ(anlotinib)のフランチャイズ(製品群)の拡大に加え、がん免疫療法をめぐる短期的なビジネスチャンス、さらに第1号ジェネリック薬やコンプレックスジェネリック薬の相次ぐ投入などが、同社の新たな成長サイクルを支えるとみている。
1-3月期には新型コロナウイルスの感染が拡大する中、腫瘍治療薬部門が好調だった(同部門の19年通期の売上高は前年比70%増の54億元)。肝臓がん治療薬の「天晴甘美」「天晴甘平」が、新型コロナウイルスCOVID-19の治療ガイドラインに掲載されたことなどが背景。また、売上高が縮小傾向にあるB型肝炎治療エンテカビルについて、経営陣は10億元超の収入レベルを維持する見通しを示した。
同社は特に腫瘍治療薬に強みを持つ。PD-1 mAbやPD-L1 mAb、Factor8、複数のバイオシミラーなど後期の生物製剤9種を保有するほか、短期的にはpenpulimab(PD-L1 mAb)の収益貢献が期待できる。また、「PD-L1+アンロチニブ」のコンボについて10を超える臨床試験に着手し、ほかに「レンバチニブ+PD-1」の組み合わせについても可能性を模索。一方、腫瘍薬部門の生産能力を見ると、容量2,000L、3,000Lのバイオリアクターがそれぞれ3台、2台稼働しており、新たに10,000Lを4台導入する計画だ。また、3,000人規模の強力な営業チームを擁する新たな商業化組織を設立した。
「潤眾」(エンテカビル)の売上高は18年に約32億元、19年には約25億元。共同購買市場(公立医療機関による集中調達)でシェアを落とす中、同社は積極的に薬局やネット通販など、医療機関以外の販路を模索している。
呼吸器系では4月、先発薬より約10%低い価格設定で、ブデソニドを発売する予定。21年にはサルメテロール・フルチカゾン、22年にはアルフォルモテロールとフドステインを売り出す計画となっている。
最新のパイプライン(製品候補)情報を見ると、Factor13については20年3月に新薬承認を申請済み。アンロチニブは4つ目となる適応症(甲状腺髄様がん=MTC)をめぐり、国家発展改革委員会との交渉に先立って承認を得られる見通しとなった。また、同社は低分子性の抗がん剤2種と第4世代型EGFRチロシンキナーゼ阻害剤をそれぞれ22年、23年に投入する方針を明らかにしている。
BOCIは「潤眾」と抗がん剤の販売収入に関する想定値の引き上げに伴い、20-22年の予想売上高を3-5%増額修正。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づいて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。新たな目標株価は21年予想PER(株価収益率)で35倍相当となる。
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