最も有名なインデックス「NYダウ」

 個人投資家に幅広く普及したインデックス投資。米国経済を象徴的に表しているため、よく使われているのが「NYダウ(正式名称:ダウ・ジョーンズ工業株価平均)」です。しかし、NYダウについてあまり知らない方も多いと思います。今回、他のインデックスとの比較や米国経済の歴史を振り返り、NYダウの特長をお伝えします。

 そもそもインデックスとは、主に市場の動きを反映するために存在します。投資の種類に株式や債券、不動産(リート)、コモディティなどがあるように、インデックスにもさまざまな種類があります。

 その中でも特に有名なのが、米国株式市場の動きを反映するNYダウです。世界経済の中心である米国の株式市場には世界中の優良企業が上場しており、NYダウは世界の景気や経済の先行きを測る指標として世界中の投資家から注目を集めています。

NYダウは米国の厳選30銘柄

 NYダウ以外にも米国株式市場を代表するインデックスとしてS&P500ナスダック総合指数がありますが、これら3つのインデックスには大きな違いがあります。それはインデックスを構成する銘柄数です。

S&P500…米国企業の中から500銘柄を選出
・ナスダック総合指数…NASDAQ取引所に上場している全銘柄を対象
NYダウ…30銘柄を選出

 30銘柄で構成されるNYダウですが、米国の広範な株式市場を代表するように“厳選投資”の要素を含んでいます。

「時価総額が大きい」「企業として極めて高い名声」「数多くの投資家からの関心」「持続的な成長」などの特性から厳選され、米国に数多くある企業の中でも“より濃密な30銘柄”と言えます。

<NYダウ30銘柄>

NYダウ銘柄厳選の歴史

 NYダウが作られた1896年当初は、当時の米国経済の重要なけん引役として考えられた工業株を中心に12銘柄でスタートしました。しかし、米国株式市場の広範な動きを反映するため、1928年から現在と同じ30銘柄となりました。ここで1928年以降のNYダウの組み入れ銘柄の変遷をご紹介します。

いくつもの危機を乗り越えてきたNYダウ

 NYダウは、1896年から始まった120年以上の歴史があります。この中で何度も危機(ショック)を経験しています。危機を受けて、大きく下落する局面もありましたが、NYダウは、長期的に米国の経済成長が伸び続け、上昇してきました。

 市場は「投資家の心理」を映す鏡とも言われており、急落時には行き過ぎた下落となりますが、その後は上昇する局面が見られます。実際にリーマン・ショック時、NYダウは高値から50%以上もの下落となりましたが、その後各国の景気刺激策などを背景に回復しました。

継続は力なり

 120年以上にわたるNYダウの歴史を紐解くと、苦難があろうとも「長期的に成長」してきたことが分かります。それは、同時に長期投資にメリットがあることを映し出しています。

 たとえ世界的な恐慌が起ころうと、戦争が起ころうと、未曽有の金融ショックが起ころうと、その時々の投資における正解はひとつ、「続けること」でした。なぜなら危機の都度NYダウはそれを乗り越え、上昇してきたのですから。まさに、継続は力なり。

 もちろん投資を継続してリターンを得るには銘柄選定を成功させる必要があります。その要素がNYダウにはあります。それが銘柄の厳選です。時代ごとに代表的な米国企業を厳選することで120年以上にわたるリターンを紡ぎ出してきました。

 厳選された銘柄が120年以上にわたって織り成すNYダウの軌跡は長期投資の鑑です。例え暴落が起こっても、ここで投資をやめるのはもったいない、「続けること」に意味があると思えます。NYダウの変遷を見て今後の参考にしてください。

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※NYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)はS&P Dow Jones Indices LLCの登録商標です。

記事提供元:大和アセットマネジメント