緊急事態宣言発令、企業業績への不安は消えない
2020年4月7日、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が発令されました(効力は5月6日まで)。強制力はなくとも多くのことが制限され、行動に自粛が求められています。
今はまさに「自粛経済下」にあると言えるでしょう。前例のない緊急事態宣言の結果がどう出るのか注意深く見ていくことになります。
転じて、株式市場においては日経平均株価の安値は3月19日の終値1万6,552円83銭です。現行水準はこれよりかなり上に位置しています。各国中央銀行、とりわけ日本銀行の追加金融緩和によって日経平均株価は支えられ、政府の経済対策によって(その発表の前から)出直りの動きとなったものです。
しかし、「果たしてこのまま落ち着きを取り戻すのだろうか?」という疑問は残ったままです。なぜならこの先、過去に経験したことがないほどの企業業績の落ち込みを見ることになるのが分かっているからです。
「下方修正」「減損処理」「減配・無配転落」…これらのワードを頻繁に耳に、目にすることになるでしょう。もちろん株価にすでに織り込まれている可能性もありますが、いずれにしても不安や懸念があることに変わりはありません。
自粛経済が逆風にならないセクター・銘柄に注目
こうした中、「自粛経済」が逆風にならないセクターや銘柄に目をつけていくのは自然な流れとも言えます。すでにその傾向が株価に分かりやすく表れている銘柄も多数あります。
まず注目すべきは「ドラッグストア」と「一部日用品メーカー」です。株価の動きは東京株式市場の中で出色です。どちらかというと「追い風」を受ける企業と言えます。
ドラッグストア首位級で、ほぼ全国展開している企業です。
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青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)
マスクや除菌関連製品、のどの殺菌剤に特需が生じています。
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青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)
「自粛経済が逆風にならない」銘柄は、通常通りの営業が可能で、顧客数が落ち込まないセクター・銘柄ということになりそうですが、「食品スーパー」がそれに該当します。
デパートや大型ショッピングセンターは一部休館や休業を余儀なくされているものが目立ちますが、食品スーパーはその性格上(市民生活に直結)、通常通りに営業しています。
この当たり前の状況を続けられることが「自粛経済下」では優位性につながるものと考えられます。望んでいるわけではないものの、自粛期間が長引けば長引くほどその優位性が高まるかもしれません。
ここでは「食品スーパー株」の中から10万円で投資可能な銘柄を参考として示しておきます。
10万円で投資可能な食品スーパー株
株価データは2020年4月8日終値ベース。
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222・東証1部)
首都圏で展開するイオン系の食品スーパー最大手です。傘下にマルエツ、カスミ、マックスバリュ関東を擁しています。
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・ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの日足チャート
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青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)
Olympicグループ(8289・東証1部)
首都圏を地盤に食品スーパーや大型ホームセンターを展開しています。
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・Olympicグループの日足チャート
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青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)
スーパーバリュー(3094・JASDAQ)
埼玉・東京を地盤に食品スーパーを展開しています。一部ホームセンターとの複合店舗もあります。現状、流動性には欠ける銘柄です。
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・スーパーバリューの日足チャート
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青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)
オーシャンシステム(3096・JASDAQ)
新潟を地盤に食品スーパー「チャレンジャー」を展開、また、フランチャイズで「業務スーパー」を展開しています。現状、流動性には欠ける銘柄です。
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・オーシャンシステムの日足チャート
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青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)
ダイイチ(7643・JASDAQ)
北海道の食品スーパーで、帯広を地盤に旭川、札幌にも展開しています。現状、流動性には欠ける銘柄です。
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・ダイイチの日足チャート
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青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)
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