921日:8月統計で1人当たりデータ利用量の伸びが鮮明、顧客獲得ではユニコムが健闘

 製品ミックスの変化に伴う利益率の改善やコスト低減を理由に、BOCIは恒安国際集団の向こう12カ月間の業績を楽観している。販路の合理化やオンライン販売の好調により、2017年下期には売上高が段階的に回復するとの見方。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 BOCIによれば、16年末のインセンティブ制度の導入が寄与し、同社のオフライン売り上げは17年下期にマイナス成長局面を脱する見込み。7月、8月に見られた回復トレンドが10-12月まで続く見通しという。一方のオンライン販売は引き続き堅調であり、BOCIの17年通期予想「前年比10%増」(16年実績は同3.3%増)を達成可能なペースとなっている。オンライン、オフラインを合わせた17年の同社売上高に関する予想は同6%増(16年は同3%増)。今後の新製品投入やオンライン販路向け投資を受け、この先、売り上げ見通しを上方修正する可能性もあるとしている。

 一方、17年下期にはパルプ調達コストの増大が利益率を圧迫する見通しだが、BOCIは有効なコスト管理により、マイナス影響を相殺することが可能とみている。実際、同社は17年上期にコスト管理の点で成果を挙げ、売上高費用比率を25.8%へ1ポイント低減させた。主に人材資源の効率化や販路の効率改善が寄与した格好。BOCIは今後もこうしたコスト管理効果が続くと予想し、18年には売上高費用比率が24.3%まで低下するとみている。

 同社利益は過去4年間にわたって伸び悩んだが、BOCIは消費者からのフィードバックへの迅速な対応やコスト低減につながる経営再編を理由に、この先、上向きに転じるとみている。国内市場は頭打ち傾向にあるものの、広範な販路やオンライン販売の好調を武器に、競争が激しい業界内で最大手としての座を固めると予想。また、同社が東南アジアなど、新規市場の開拓につながる買収機会を模索していることに触れ、自律成長以外に、買収を通じた業績拡大も期待できるとしている。

 BOCIは予想PER19倍(12カ月予想PERのヒストリカル平均値24倍に対して20%のディスカウント水準)に基づいて目標株価を設定。同社株価の先行きに対して強気見通しを据え置いた。一方、レーティング見直しにつながる可能性のある潜在リスク要因としては、ティッシュペーパー競合による生産増強、パルプや石油化学製品の値上がり、新製品投入ペースの減速、予想以上のおむつ販売の低迷、人民元安――を挙げている。