IMMポジション推移(08/29~09/12)

 

円:円のネットショートは、前週比1割減。利食いと新規ロングが先行

 CFTC(全米先物取引委員会、Commodity Futures Trading Commission)発表による9月19日現在の建玉報告によると、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)通貨先物市場において、投機筋の円のネット枚数(円の買い建玉と売り建玉の差)は、5万1,322枚のショートで、円の売り持ち残高が多い状況です。ドル換算にすると、約57億ドル相当のドル買い持ち(円の売り持ち)になります。

 しかし、円のネットショート枚数は2週間連続で減り、前週比では10.4%(約6億ドル)縮小。

 売買別では、買い建玉(円ロング)が前週比約4.4%増加。一方売り建玉(円ショート)は前週比約4.3%縮小。ドル円は、2週間で107円台から102円台まで5円以上も大きく円安になりました。ところが、意外にもIMMの円ショートは増えておらず、逆に利食いと新規の円の買持ち(ドル売り持ち)が目立ちました。

IMM円  2015.09~2017.09


 

ユーロ:ユーロのネットロングは、2週連続で大きく減る

  • ユーロのネット枚数(ユーロの買い建玉と売り建玉の差)は6万2,753枚のロングで、ユーロの買い持ちが多い状況が続いています。
  • ユーロ換算にすると、約78億ユーロの買い持ち(=約93億米ドルの売り持ち)。
  • ネットロング枚数は、前週比で27.1%縮小しました。
  • 売買別では、買い建玉が前週比0.6%減り、売り建玉は21.2%増えました。ECB(欧州中央銀行)会合後のユーロドルは1.20ドル台乗せましたが、相場を追いかけてユーロのロングを増やす投機家は殆どいなかったようで、逆に新規の売り持ちが目立ちました。

IMMユーロ  2015.09~2017.09


 

豪ドル:豪ドルのネットロングは増加に転じる

  • 豪ドルのネット枚数(豪ドルの買い建玉と売り建玉の差)は7万2,512枚のロングで、豪ドルの買い持ちが多い状況が続いています。
  • 豪ドル換算にすると、約72億豪ドルの買い持ち(=約57億米ドルの売り持ち)。
  • ネットロング枚数は、前週比15.0%増加しました。
  • 売買別では、買い建玉が前週比1.3%増える一方、売り建玉は前週比21.2%減りました。

IMM豪ドル  2015.09~2017.09


 

ポンド:ネットショートが、前週比8割の大幅減

  • ポンドのネット枚数(買い建玉と売り建玉の差)は、10,161枚のショートで、ポンドの売り持ちが多い状況に変わりはありません。
  • ポンド換算にすると、約6億ポンドの売り持ち(=約8億米ドルの買い持ち)。
  • ポンドのネットショート枚数は、前週比で78.0%減少。
  • 売買別では、買い建玉が前週比11.1%増えたのに対して、売り建玉は前週比24.6%減りました。
  • カーニーBOE(英国中央銀行)総裁が9月14日のBOE会合後に、「利上げの可能性は高まっている」と述べたことで、ポンドの流れは強く上向きへと切り替わりました。ポンドは一時1.36ドルまで上昇、2016年6月24日の英国民投票後の高値を1年3カ月ぶりに更新しました。投機家にとってもこの動きは予想し難かったようで、IMMではポンドショートの手仕舞いが急ピッチで進みました。

IMMポンド  2015.09~2017.09