本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは109.72

下値メドは107.05

今朝の天気マークは「晴れ」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

米雇用市場、終わった

 BLS(米労働省労働統計局)が4月3日(金曜日)に発表した3月の米雇用統計は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で悪化するとは伝えられていましたが、結果は予想をはるかに超える「ひどい」ものでした。

 非農業部門雇用者数は▲70.1万人(予想▲10.0万人、前回+27.5万人)と2010年9月以来9年半ぶりのマイナス。失業率は4.4%に急上昇(予想3.8%、前回3.5%)。なかでも飲食産業の影響が大きく、就業者は一気に41万人も減りました。平均労働賃金は前月比+0.4%(前回+0.3%)、前年比+3.1%(前回+3.0%)。(非農業部門雇用者数と失業率の推移のグラフをご覧ください)

 予想と結果のズレはこの際、たいした問題ではありません。今では雇用統計を含め、あらゆる経済指標が「予想不能」な状態だからです。そもそも、データを集計して発表する人が会社に来ることができないのですから。

 今回の雇用統計は、新型コロナウイルスが米国で流行しはじめた、3月中旬のデータが中心。ロックダウンが本格的に始まったのはその翌週からです。確実に言えることは、来月の雇用統計今月より悪くなるということです。それどころか、データ集計作業ができずに発表が中止になる可能性さえいわれています。どれだけ悪くなっているかさえわからない事態も覚悟しないといけません。

 ブラード・セントルイス連銀総裁は、4-6月期の失業率は30%まで悪化する可能性があると警告しています。急激に悪化した雇用統計でドル/円はどう動いたでしょうか?「今日の注目通貨」をご覧ください。

毎ヨミ!FXトップニュース

3日のドル/円のNY市場終値は108.46円

 2日の終値に比べ0.60円のドル高/円安だったので、今朝の天気マークは「晴れ」です。

今日の格言:

成功するためには、天才である必要はないし、先見の明を持つ必要もない。大学を卒業している必要すらない。必要なのはフレームワーク(枠組み)と夢さえあればいいんだ。 - マイケル・デル(デル社創設者)

各国・各通貨トピックス

新型コロナウイルス:
    トランプ大統領「私はマスクしない」が、米国民に着用を推奨
    日本の医療体制に懸念 在日米国大使館が米国人に帰国を促す
    北朝鮮軍で新型コロナウイルス患者が大量発生 死者100人以上と報道も

ドル:
    トランプ大統領「これから2週間でもっと死者が出るだろう」
    トランプ大統領、マスクや医療用手袋を禁輸指定に

ユーロ:
    イタリアの3月サービ業PMI (購買担当者景気指数)が17.1まで低下
    新型コロナで、フランス経済の稼働率は65%まで低下
    ドイツが「コロナボンド」の発行を拒否

ポンド:
    英国でも解雇ひろがる。在宅勤務者に解雇通知届く

豪ドル:
    豪失業率は10%まで悪化する可能性
    オンラインショッピングが急増

南アランド: 
    格付け会社フィッチ、南アの格付けをBB+からBBに引き下げ。見通し「ネガティブ」

その他:
    バカなの?(1) ブラジル大統領、外出奨励動画を投稿
    バカなの?(2) ベラルーシ大統領「サウナに入ってウオッカ飲めば大丈夫」

主要指標終値

出所:楽天証券が作成

本日の注目通貨

ドル/円:雇用統計悪化もドル/円は上昇

 雇用統計発表後のドル/円は、ドル安ではなくドル高に動いて108.68円まで上昇。4月に入ってからの高値をつけました。その後下げる場面もあったのですが、108円台をキープして、終値は108.46円。6営業日ぶりに107円台より円安水準で引けました。なお安値は東京時間朝の107.79円。

 雇用統計は悪かったのですが、ドルは買われました。マーケットもコロナ疲れのせいで、悪いニュースに対する反応度は鈍くなってきたようです。このような時は、これまで悪いニュースだったものが、突然良いニュースだとこじつけられることが多くなります。就業者が▲70.1万人でドルが買われるのだから、もし雇用統計が予想通り▲10万人だったらドルはもっと買われていたと考えています。しかし、▲10万人自体が、かなり悲惨な数字であることに変わりはないのです。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

トレード前に必ずチェック!今週発表の重要指標!

RBA(豪準備銀行)政策金利、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録、英GDP(国内総生産)、中国CPI(消費者物価指数) など

経済指標過去データは楽天証券サイトにてご確認ください。 出所:楽天証券作成

◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。

※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。

※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。