パラジウムは+40%超。おおむね全面高
先週は、久しぶりに上昇した銘柄が多い週でした。23銘柄中、82.6%にあたる19銘柄が上昇しました。
下落した4銘柄は通貨ペアで、その中の3銘柄の主軸通貨(ペアの左側の通貨)は、景気回復策の一つである大規模な金融緩和策が打ち出されたことで、下落圧力がかかりやすくなった米ドルでした。
また、先週の値動きで目立ったのが、貴金属です。パラジウムが+42.6%、プラチナが+19.0%、銀が+16.7%、金が+9.9%でした。ドルを手元に戻す動きが加速する“換金売り”が止み、総悲観が一巡したとみられ、金でさえ売られた先々週までの状況から一転しました。
各種景気対策が協調的で大規模なものであることから株価の反発が目立ったことからも、総悲観は一巡した可能性があります。各種市場における新型コロナウイルスとの闘いが次のステージに移ったと言えるかもしれません。
3月20日(金)から3月27日(金)までの週のジャンル別騰落率
先週の「ジャンル横断・騰落率」を受けた今週の見通し
先週は、急落前の水準までV字回復するなど金の上昇が目立ち、金でさえ売られた状況が一転しました。また、世界経済の鈍化を食い止める各種対策が示されたことで株価も反発しました。先週は、新型コロナウイルスが振りまく総悲観から抜け出した週だったと言えるかもしれません。
今後、ゼロからプラスを作っていくために必要なことは、やはり新型コロナウイルスの感染拡大が止まり、死者が減少し、終息に向けて進み始めることです。これまで以上に、今後の感染状況に目を向ける必要があります。
しかし、感染拡大がいつ終息するかどうかは、まだまだ見通せる状況ではありません。3月30日、トランプ米大統領が米国内の移動制限について、期間を4月末まで延長すると宣言しました。日本でも、特に東京では、今、これまでにないペースで感染者が増えています。つまり、感染拡大はまだ続いているわけです。
11月3日(火)の米大統領選挙に向け、3月中に行われる予定だった、各党の候補を選ぶ代議員の選出のための、党員集会や予備選挙がいくつかの州で延期になっています。党の候補を決定する党の全国大会が行われるのは、民主党が7月中旬、共和党が8月下旬ですが、感染拡大が続く場合、党の候補者が決まらず、大統領選挙にも影響が出る可能性もあります。
金融当局や各国の政府の対策が講じられることは各種市場にとってプラスの材料ですが、あくまでもそれらは対症療法であり、根治させる要因にはなりません。感染の終息こそ、今回の混乱の根治と言えます。今後も引き続き、感染者の数を追っていく展開となりそうです。
そして、感染者の数に加え、経済指標の内容に注目することが重要です。今週は、週半ばを中心に、中国、ドイツ、フランス、EU(欧州連合)、フランスなどの3月製造業・サービス業の購買担当者景気指数(PMI)が発表され、感染が世界規模に拡大した3月の同ウイルスの影響を、データで確認することができます。
その他、米国では4月2日(木)に2月の貿易収支、3日(金)に雇用統計が発表されます。総悲観は本当に一巡したのかどうかについて、今週の経済指標の内容をヒントの一つとして考察したいと思います。
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