インデックスファンドの限界
特定の株価指数に連動した運用成果を目指すインデックスファンドは、商品の分かりやすさとコストの安さから、近年、積み立てを中心に残高を伸ばしてきました。積み立てで長期投資を前提としているなら、時間分散効果が期待できるので、短期の値動きに過敏に反応する必要はありません。しかし、資金の性格によっては、インデックスファンドだけではなく、アクティブファンドにも目を向けた方が良い場合もあります。なぜなら、インデックスファンドには、株式市場が大きく乱高下するような局面でも、その値動きを受容するほかないという、商品性の限界があるからです。
アクティブファンドの「アクティブ」。真の意味とは?
「アクティブファンド」と聞くと、大きなリターンを取りにいくために積極的な運用をしている商品をイメージされる方も多いかもしれません。しかし、実態は少し異なります。
資産運用の世界では、アクティブ運用の明確な定義は存在せず、一般的に、指数に完全に連動していない「非・インデックス型」の商品をアクティブファンドと呼んでいます。“Active”という英単語には「積極的」「活発」「能動的」などの意味がありますが、アクティブファンドの“Active”が意味するのは、運用の自由度の高さであって、必ずしも高いリスクを負って高いリターンを追求することだけではありません。
急な相場変動で肝を冷やしたくないなら
アクティブファンドの中には、大きなリターンを取りにいくよりも、むしろ、市場平均と比べてリスクを低く抑えることに重きを置いた商品も数多く存在します。実は、機関投資家と呼ばれるプロの投資家の世界では、2000年代後半の世界的な金融危機以降、リスク低減型の商品が増え、広く活用されてきました。退職金や教育資金など、数年以内に使う、または、取り崩すことを決めている資金の他、相続金のように元本の大きな毀損(きそん)を避けたい場合などは特に、こうしたリスク低減型の商品を活用することをおすすめします。
また、インデックスファンドで投資信託積み立てをしている方で、一連の「コロナショック」の株価急落で肝を冷やしたという方にとってもアクティブファンドは有効です。例えば、「楽天証券ファンドセレクション(2020年冬)」で紹介している「バランス型(可変配分)」の「投資のソムリエ」と「ファイン・ブレンド(資産成長型)」はいずれも、リスク調整機能を備えています。部分的に取り入れることで、相場急変時には、ポートフォリオの「緩衝材」としての役割が期待できます。
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