投資初心者の疑問を解決して、ステップアップしていく新連載。
証券会社で働くケンタローが「つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」について調べているようです。

登場人物のご紹介

ユリコ:証券会社の中堅社員。入社8年目

 

ケンタロー:証券会社の新入社員

 

ケンタローの調査

ケンタロー:ユリコ先輩!「つみたてNISA」についてどんな魅力があるか、調べました!
ユリコ:何か分かった?

ケンタロー:「一般NISA」は、投資信託だけではなく、株にも投資できるし、投資できる枠も年間120万円で「つみたてNISA」の年間40万円より多いから、やっぱり「一般NISA」の方が魅力的なのかなぁ、と思って調べたんですが……。

ユリコ:そうでもなかった?
ケンタロー:そうなんです! よく分かりましたね!!

ユリコ:その顔を見れば、誰でも分かるよ(笑)

 

「つみたてNISA」の魅力 パート1

ケンタロー:2つの「NISA」は、利益(値上がり益や配当・分配金)が非課税になることは同じなのですが、年間の投資上限金額は、「一般NISA」が120万円に対して「つみたてNISA」は40万円
ユリコ:金額が違うね。

ケンタロー:一方、「一般NISA」で投資した場合、その利息や分配金が非課税になる期間は5年間なんですが、「つみたてNISA」の非課税期間は20年間

ユリコ:「期間」も違うよね。

ケンタロー:「つみたてNISA」が若者に人気なのはこの「期間」が理由かもしれません。

ユリコ:ん? どうゆうこと?
ケンタロー:こないだ、70代のお客様にこの「つみたてNISA」の魅力を話したんです。そしたら、「そりゃ分かるんだけどさー、20年後に生きてるかどうか、分かんないよね。」って言われたんです。だから「一般NISA」でいいと。

ユリコ:なるほど。「一般NISA」は比較的年齢層が高い層が多く、「つみたてNISA」は比較的年齢層が若い層が多い理由のひとつは、「期間」かもね。(NISAの考え方>つみたてNISAと一般NISA。迷ったらどっち?)

「つみたてNISA」の魅力 パート2

ケンタロー:もうひとつ、「つみたてNISA」のメリットがあります!
ユリコ:なんか声が力強くなってきたね。

ケンタロー:それは、「つみたてNISAの対象商品の要件」っていうのがあるんです!
ユリコ:あ~そんなのあったな。
ケンタロー:これ重要なんですよ!

「つみたてNISAの対象商品の要件」

・公募株式投資信託
 1.指定されたインデックスに連動するもの
 2.マーケットから継続的に選択・支持されていること

・ETF(上場投資信託)
 3.指定されたインデックスに連動する一定のETF

参考資料:金融庁資料(P8-13)

ケンタロー:要は、投資信託かETFが対象ってことなんですが、更に読み進めると「結局、株が入っていないとダメ!」ってことに気づくんです。

ユリコ:確かに!

ケンタロー:対象商品の要件は、1は「主たる投資の対象資産に株式を含むこと」2は「投資の対象資産は(i)株式、(ii)株式及び公社債、(iii)株式及びREIT、(iv) 株式及び公社債及びREIT、のいずれか」
3のETFにいたっては、「投資の対象資産が株式であること」って書いてあるんです!

ユリコ:本当だ! でもさ、ケンタロー君、株式って、値動きが激しくて、難しいんじゃないっけ? もし、お客様に聞かれたら、なんて答えるの?

ケンタロー:確かに、一つ一つの株式を見れば値動きが大きいものもあるんですが、株式市場全体として見ると長期のつみたて投資には向いているんです。ポイントは、長期で毎月同じ金額で分散投資することと、個別株ではなくて、分散投資をしている株式のインデックス(指数)に投資をすることです。

(参考資料:長期投資の買い時。一発勝負VS時間分散
      下げ相場も長期積立投資では、メリットがある!?

 金融庁が株式のインデックスを中心に、投資信託とETFに対象を絞っているっていうことは、多分なんですけど「長期つみたて投資で見た場合に、大損はしにくい商品、ある程度の値上がりが期待される商品」って捉えているんじゃないでしょうか。

ユリコ:なるほどねぇ。インデックスなら市場全体の値動きになるから、個別で株式を買うよりは値動きの変動を抑えることが期待できるもんね。

ケンタロー:ですよね!
ユリコ:それに、債券だと値動きは小さいし、利金は入ってくるけど、ある程度利回りがないと魅力的な収入にはならないしね。

ケンタロー:ですよね!!
ユリコ:経済が成長すれば、株価もある程度は上がるだろうから、長期的に見れば値上がり益(キャピタルゲイン)も期待できるし。

ケンタロー:ですよね!!!
ユリコ:それに、販売手数料とか、信託報酬とかも金融庁が指定した水準より低くなきゃいけないことになっているでしょ。投資家からしてみれば、安いコスト(手数料等)で投資が可能になるように指定されているわけじゃん?

ケンタロー:ですよねーーー!!!
ユリコ:いいじゃん。なんか、資産形成を後押ししてくれてる感じで♪♪♪

「つみたてNISA」の魅力 パート3

ケンタロー:最後に、とっておきのヤツ、行きます!
ユリコ:まだあるの?

ケンタロー:「つみたてNISA」の商品って、「金融庁お墨つき」の「長期でつみたて」にふさわしいって感じじゃないですか。だから、投資期間中に多少の市場の変動があっても、できるだけ長く続けることが大切! 下がってたら「今月分は安く買える」し、20年間続ければ、20年後にキャピタルゲインを得られる確率が高まると考えられます!

 例えば今年積み立てた40万円を20年間保有すれば、20年間、非課税の分配金を受け取った上に、20年後にはキャピタルゲインだって出てるかもしれない!

ユリコ:なんか、勢いづいてきたね!
ケンタロー「つみたてNISA」の期間が20年もあるっていいですよね。

ユリコ:投資は「時間」が大きな味方になるから、長いほうがいいよね。もしかして、金融庁が「つみたてNISA」の有効期間を20年に設定したのって、実は「検討に検討を重ねて」決めたのかもしれないね。

ケンタロー:ぼくも、はじめてみよっかな!    

ユリコ:え!? まだはじめてなかったの?