19年は30%超の減益か、日系2社の好調で20年に業績回復見通し
現地コード | 銘柄名 |
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02238 |
広州汽車集団 (グァンジョウ・オートモービル) |
株価 | 情報種類 |
8.13HKD |
株価 企業情報 チャート |
日系合弁会社2社、広汽トヨタ、広汽ホンダの好調にもかかわらず、広州汽車集団の19年の新車販売台数は前年を4.0%下回った。BOCIは自社開発ブランド「伝棋」(Trumpchi)と広汽フィアットクライスラー(広汽FC)の不振が足かせになったとし、19年12月本決算について前年比30%超の減益を見込んでいる。続く20年については、業界全体を取り巻く不透明感を指摘しながらも、伝棋と広汽FCのさらなる業績悪化は考えにくいとの見方。その上で、広汽トヨタ、広汽ホンダが新型旗艦モデル(トヨタ「ワイルドランダー」とホンダ「ブリーズ」)のけん引で好調を維持し、利益上乗せに寄与すると予想。こうした点から、香港上場の同業銘柄の中で、同社の業績回復見通しは相対的に明確であるとし、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
自社開発ブランド「伝棋」の19年の販売台数は、前年比28.1%減の38万4,578台。新車市場全体の低迷や主力の「GS4」のニューモデルへの切り替えなどが影響した。ただ、新エネルギー車向け補助金が削減されたにもかかわらず、新エネ車の販売台数は4万3,089台と前年比で2倍以上の伸びを達成。特に「Aion S」の受注が好調で、19年5月の発売以来の月間販売台数は平均で約4,000台に達した。「伝棋」部門は19年1-9月に32億元の赤字に転落したが(前年同期は24億元の黒字)、これは「国5」から「国6」への排ガス基準の移行に伴う宣伝費の増大や設備稼働率の低下、新エネ車向けの補助金削減などが原因。自社ブランドの販売状況は10-12月に上向いたが、BOCIは部門業績の目立った改善には期待しにくいとみる。20年に目を向けると、「伝棋」の販売目標は前年比12%増の43万台。うち新エネタイプについて、BOCIは前年比約50%増の6万台を見込むが、この数字は採算ラインの年10万台には届かず、20年も赤字が続くと予想している。一方のガソリン車(ICE車)に関しては採算性の小幅な改善を見込む。
広汽トヨタ、広汽ホンダの19年の販売台数は前年比17.6%増、4.0%増と、いずれも目標通り、あるいはそれ以上の水準に達した。設備稼働率は高水準にあり、19年本決算で高い利益率となる見込み。BOCIは20年も両社の勢いが続くとみて、広汽トヨタに関しては2桁増の75万-76万台を予想。広汽ホンダに関しても約8%増の83万台を見込む。半面、広汽三菱と広汽FCの19年の販売台数は7.6%減、41.0%減。新モデル投入の予定はなく、20年の販売目標はともに前年比横ばいとなる可能性が高い。
「伝棋」と広汽FCの赤字が19年下期に予想以上に膨らんだことから、BOCIは19-21年の利益見通しを16-22%減額修正し、それぞれ72億元、83億元、91億元に設定した。現在株価の19年、20年の予想PERは10.5倍、9.0倍。ヒストリカル平均値は約8.5倍だが、BOCIは利益回復見通しの明確さなどから、より高めのPERに値すると指摘。20年予想PER10倍をあてはめ、目標株価を小幅に引き上げている。
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