新型肺炎による波乱、売り一巡後はどうなる?
今の株式市場における突発的波乱要因はもちろん「新型肺炎」の感染の広がりです。中国・湖北省で発生したこの疫病は、世界経済にも悪影響を与えるとみられています。
2日、IMF(国際通貨基金)のゲオルギエバ専務理事は「世界景気に短期的な減速をもたらす可能性がある」との懸念を表明しました。すでに「生産部門やサプライチェーンの混乱を引き起こし、旅行ビジネスにも影響を与えている」とした上で、日本など周辺国経済の下押しリスクへの警戒感も示しています。
今後の東京市場は「中国での感染の広がり」「(日本を含む)中国国外での感染の広がり」に関する情報に神経質になることでしょう。
仮に事態が収束の方向に向かったとしても、その後、実体経済への影響が(各国GDP[国内総生産]、特定企業の業績)具体的な数字となって現れてくることから、景気減速への疑心暗鬼は継続するものと考えられます。
ここでは「売り一巡後」の投資家の行動パターンについて、過去の例を参考に、さらに今のセクター環境も踏まえて考えます。
外需製造業不安時にディフェンシブセクターの優位性が高まるケース
アステラス製薬(4503・東証1部)の3カ月日足チャート
日清食品ホールディングス(2897・東証1部)の3カ月日足チャート
中国需要とほぼつながらない銘柄に関心が集まるケース
三井不動産(8801・東証1部)の3カ月日足チャート
NTTドコモ(9437・東証1部)の3カ月日足チャート
株式市場・為替市場の混乱時に「金」に資金が逃避するケース
SPDRゴールド・シェア(1326)の3カ月日足チャート
10万円株ではIT・ゲーム関連株に注目
医薬品、食品、不動産、通信の主力株と金ETF(上場投資信託)を取り上げましたが、これと同等で、10万円で購入可能な銘柄を探すのはかなり困難です。わずかに大手不動産株として「東急不動産ホールディングス(3289)」が挙げられる程度にとどまります。
しかし、「外需(とくに中国需要)」にあまり影響を受けず、さらに主力株ではなく、外国人投資家など大口投資家の資金が逃げていかないと考えられる「IT関連銘柄」と「ゲーム関連株」の一部も注目できるでしょう。
もちろん、全体相場が波乱となれば、売りが一巡するまで手出しをすることは難しいですが、そうした状況がやってくるのはそう遠いわけではないことを過去の「疫病嫌気局面」が示しているのも事実です。その時に備え、銘柄選択はあらかじめ行っておくことにしましょう。
ここでは5銘柄を紹介しておきます。
波乱局面で選ぶIT・ゲーム関連10万円株
株価データは2020年2月3日終値ベース。
ソフトマックス(3671・マザーズ)
病院を対象に院内業務の効率化を図る、ウェブ型電子カルテシステム 「PlusUS」や、検査・処方関連の総合医療情報システムを開発・販売しています。
・ソフトマックスの日足チャート
GameWith(6552・東証1部)
ゲーム攻略情報を中心とした情報メディアサイト「GameWith」を運営しています。所属ライターによるゲーム攻略記事とレビューがゲームユーザーに人気です。
・GameWithの日足チャート
Zホールディングス(4689・東証1部)
旧ヤフー、国内ネットサービスの先駆けです。2020年2月をメドに「LINE」が傘下入りします。
・Zホールディングスの日足チャート
ケアネット(2150・マザーズ)
製薬企業の医薬情報をケアネットの医師会員などへネット配信する「MRPlus」が主力サービスです。医師・医療従事者へ有償で提供する教育コンテンツも手掛けています。
・ケアネットの日足チャート
インフォマート(2492・東証1部)
食材の企業間電子商取引プラットフォームの運営や外食店向けにクラウド受発注・規格書・請求書システムを提供しています。
・インフォマートの日足チャート
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