今回のFOMCで、メンバーの大半が、年内あと1回利上げしても良いと考えていることがわかりましたが、これは少し意外でした。最近の発言を聞く限り、連銀総裁の多くは利上げについて前向きではないようだったからです。
ブレイナード・FRB理事は「インフレが低い状況で、利上げは正当化できない」と述べ、これが9月前半のドル下落のきっかけにもなりました。それから3週間余りで何が起きかといえば、ロケットマンとハリケーン。利上げを促すようなイベントではありません。もちろん、米国の消費者物価指数は上向いたという事実がありますが、これはハリケーンによる米製油所の被害の影響が大きく、今後も上昇するかどうかについては慎重な判断が必要です。
イエレン議長が来年2月で任期を終え、後任として金融引き締めに好意的ではないトランプ大統領の息がかかった新議長がやってくれば、利上げは今以上に難しくなるかもしれません。それならば、今のうちに、すべきことをしようとの判断が働いたのかもしれません。
いずれにしても、12月利上げは確定ではなく、今後の経済指標次第で判断が変わる可能性もあります。今後のインフレ指標や、イエレン議長の発言を注意深くフォローする必要があります。
デイリーピボット
デイリーピボットは、先週のレンジを元に、今日のレンジを予想するテクニカル指標です。今持っているポジションの利確や損切りレベルの参考として、あるいは新しいトレードのエントリーポイントとして、FXマーケットでも多くのトレーダーが利用しています。
今日のドル/円のピボット・ポイントは、111.95円です。
ピボットとは「回転軸」という意味で、このレベルを相場の強気と弱気の転換点と考えます。レートがピボット・ポイントより上で取引されているときは、ドル/円の相場は強気が優勢、下にある場合は弱気が優勢と考えます。
北のミサイル発射で、東京市場朝のドル/円は、S1(下値ライン1)である109.85円をブレークしました。しかし、S2(下値ライン2)に達することなく、110円台に戻っています。
今日の上値ライン(レジスタンス)は、112.80円、113.39円、下値ライン(サポート)は111.36円(一度ブレーク)、110.51円です。
ピボットの計算とトレードアイデア
ピボット・ポイントは、前日の高値と安値と終値を平均して求めます。このレベルを相場の強気と弱気の転換点と考えます。
このピボットに、ピボットから前日の安値までの値幅を足したレベルが、第1レジスタンス(R1)になります。前日下げた幅と同じ程度の反発はあるだろうと仮定して、そこを最初の上値メドと考えます。
第1サポート(S1)は、ピボットから前日の高値からピボットまでの値幅を引いたレベルです。前日上げた幅と同じ程度の反落はあるだろうと仮定して、そこを最初の下値メドにしています。
ピボットでは、今日の相場は、おおよそ、これらのレジスタンスとサポートのレンジ内で推移するだろうと考えます。しかし、それ以上に相場が大きく動くこともあります。
そこで、ピボットには、HBO(上値ブレークアウト)とLBO(下値ブレークアウト)と呼ばれるレベルが設定されていて、この水準を越えて相場が動いた場合には、新しいトレンドが始まったとみなします。
下の図のように、たとえば、HBOをストップに、第1、第2レジスタンスで売り上がる、あるいは、LBOをストップに、第1、第2サポートまで買い下がる、といったようなトレードが考えられます。ただし、あくまでも一例であって、決して利益を保証するものではありません。トレードは自己責任でお願いいたします。
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