19年通期速報で11%増益、小幅に予想下押しもROEが上昇

現地コード 銘柄名
06818

中国光大銀行

(チャイナ・エバーブライト・バンク)

株価 情報種類

 3.62HKD
 (1/23現在)

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 中国光大銀行の19年12月本決算(速報値)は、純利益が前年比11.0%増の373億5,000万元と、BOCIの予想から1.0%ほど下振れた。経常収益および経常費用がそれぞれ、予想を2%余り下回った。一方、期中の平均ROE(株主資本利益率)は11.77%と、前年を0.22ポイント上回る水準。不良債権比率は19年末に1.56%と、前期(9月末)比で0.02ポイント上昇した。BOCIは目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 19年通期の純利益は前年比11.0%増の373億5,000万元。経常収益は前年比20.5%増と、1-9月比で2.72ポイント減速し、予想から2.1%下振れた。経常費用も予想を2.8%下回る水準だった。BOCIは10-12月の純金利マージン(NIM)の縮小を理由に、経常収益の下押しはある程度想定内との見方。一方、経常費用の下振れに関しては、減損費用の縮小が寄与したとみている。通期の税引き前利益は前年比10.6%増だった。

 19年の総資産は前年比8.63%増と、1-9月期から0.23ポイント加速。10-12月期には前期比で0.2%の小幅増だった。BOCIは通期の貸し出しの伸びを前年比約13%と予想(10-12月に前期比2.9%増)。主に融資の伸びが10-12月の資産の増加に寄与したとみている。

 19年末の不良債権比率は1.56%と、9月末から0.02ポイント上向いた。BOCIの推定によれば、不良債権発生率は19年に約1.45%と、前年を約0.17ポイント下回る水準。期末の不良債権カバー率(不良債権に対する貸倒引当金の比率)は、9月末の179%から小幅に上昇した可能性が高い。

 手数料収入に関する会計方針を調整した影響で、19年には役務取引等利益が前年実績(修正前)を下回った。ただ、通期の役務取引等利益の比重について、BOCIは20.3%を見込み、1-9月比で2.2ポイント上向いたとみている。同行は“資産管理業務のトップバンク”を目指す方針。19年9月までには光大理財有限責任公司(Everbright Wealth Management)を設立しており、資産管理業務が新たな成長けん引役となる可能性がある。

 BOCIは純金利マージンの想定値引き下げに伴い、20年、21年の純利益見通しを1.2%、1.5%減額修正した。修正後の数字は前年比で7.2%、7.8%の増益に相当する。同行H株の現在株価は、19年、20年の予想PBR(株価純資産倍率)で0.48倍、0.45倍と、ヒストリカルな低水準。BOCIはこの点を指摘した上で、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。