エネルギーセクターは業績改善見込み、投資妙味あり
今年に入り、米・イランの対立激化で注目を浴びているエネルギーセクターですが、原油価格の動向にかかわらず先行きの業績は改善が見込まれています。
米国製造業の先行き不透明感等を考慮すると事業環境が明るいとはまだ言えませんが、業績の改善と株主還元の姿勢を考慮すると、配当利回り重視の投資家にとって投資妙味があるセクターと考えられます。
原油価格の上昇が意識される材料が増えれば、キャピタルゲインにも期待が持てます。
WTI価格とS&P500エネルギーセクターの推移
期間:2015年1月2日~2020年1月2日
全セクター中最も利益が拡大する見通し
2020年は、エネルギーセクターが全セクターの中で最も利益が拡大する分野と予想されています。調査会社ファクトセットによると、S&P500対象企業の2020年予想平均利益は前年比で9.6%増加する見込みですが、セクター別ではエネルギーが20%以上拡大する見通しです(2019年12月20日時点)。
2019年に苦戦した分、同セクターの利益拡大ハードルは低く、コストの効率化が進めば利益は回復するとみられます。2019年の業績パフォーマンスが低調で終わると予想されている資本財、素材、一般消費財も今年2020年は復調が予想されています。
コンセンサスの前提となる原油価格の平均は56.02ドルであり、実際の価格が想定を上回る推移となれば業績拡大期待はさらに高まると考えられます。
2020年と2019年のセクター別予想利益成長率
注目は石油メジャー5社
エネルギーセクターには原油の探索を行う川上から、精製された商品を販売する川下まで様々なプレーヤーがいますが、その中でも注目したいのが幅広い事業を手掛ける石油メジャー5社です。
まだ楽観視できない事業環境の中、これらの大手企業は、世界規模で生産エリアの開拓を図りつつ株主還元も行っており、現時点で配当利回りは高水準にあります。
石油メジャー5社の株価、利益成長率、配当利回り
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