明けましておめでとうございます。本年も個人投資家の方をはじめ、皆さんに知っておいていただきたい税金にまつわる知識・情報をお届けします。新年の1回目の今回が連載100回目。これからも引き続きよろしくお願いします。

2019年分の所得税確定申告、申告・納税期間は?

 いよいよ2020年。そろそろ準備したいのが確定申告です。今回は2019年分の確定申告からの変更点を中心にお伝えします。

 早い方は、もう準備を始めているようですが、申告や納税期間は以下のようになっています。

申告・納税期間:2月17日(月)~3月16日(月)
※還付申告の場合は2月17日以前でも受け付けています。

 振替納税(銀行口座からの引き落とし)の場合は4月21日(火)が引き落とし日です。振替納税には事前に手続きが必要です。

 振替納税をしていない方は、現金にて金融機関、税務署、コンビニエンスストア(30万円まで)で納付します。インターネットを使った電子納税や、クレジットカードで納付することもできます。

スマホでの確定申告ができる範囲が拡大!

 2019年分の所得税確定申告は、スマートフォン専用画面にて作成することができます。対象者は国税庁のサイトで確認できます。

 例えば、所得が給与所得や公的年金等、その他雑所得、一時所得のみで、税額控除がないような方であればスマートフォン専用画面だけで操作が完結します。

 2018年分でもスマートフォン専用画面で作成できたのですが、対象者がかなり限られていました。2019年分は対象者がかなり広がっています。

 ただ、事業所得や不動産所得がある方や、株式等の譲渡所得、配当所得などにはまだ対応できていないので、その場合は従来通りの画面で作成することになります。スマートフォンで作成すること自体は可能ですが、スマートフォン専用画面ではないため、見にくいかもしれません(その場合はパソコンにて作成しましょう)。

添付や保管が不要となった書類とは?

 確定申告書を提出する際、いくつかの書類を添付・提出することが定められています。電子申告の場合は書類の提出が別途必要なもの、提出は不要ながら自身で保管が必要なものがいくつかあります。

 それらのうち、2019年分の確定申告では次のような書類の添付・提出や保管が不要となりました。代表的なものを挙げると以下のとおりです。

・給与所得、退職所得、公的年金等の源泉徴収票
・上場株式配当等の支払通知書
・特定口座年間取引報告書

 ただ、これらの書類が不要になったとはいえ、確定申告書を作成する際にはこれらの書類に記載されている事項が必要となります。

 また、特定口座年間取引報告書の添付が不要になったことにより、証券会社によっては郵送を取りやめたところもあります。その場合は証券会社に郵送の依頼をしたり、口座画面にログインしてプリントアウトするなど、入手をするための手続きが必要となります。忘れないうちに行うのがよいと思います。

年末調整をした人でも確定申告が必要なケースは?

 会社勤めの方は、年末調整の手続きがすでに済んでいる方が多いですが(基本は年末調整を行えば確定申告が不要)、以下のような場合は確定申告が必要となります。

・医療費控除を受ける場合
・ふるさと納税(寄付金控除)を受ける場合(ワンストップ特例を使う場合を除く)
・住宅ローン控除初年度の適用を受ける場合
・年末調整にて誤りが判明した場合(配偶者控除や扶養控除の過大・漏れなど)
・株式投資等の譲渡所得がある場合(源泉徴収ありの特定口座は除く)
・株式投資等の譲渡損を繰り越す場合
・繰り越した株式投資等の譲渡損と利益を損益通算する場合
・配当所得があり、確定申告した方が有利な場合

 分からないことがあれば、税務署や税理士に聞いてください。知らなかったがために、税金を払いすぎた…はもったいないです。

 できるだけ早めに準備して、正確な確定申告をしてくださいね。