IMMポジション推移(08/22~09/12)

 

円:円のネットショートは、前週比2割減。ドル円は年初来安値

CFTC(全米先物取引委員会、Commodity Futures Trading Commission)発表による9月12日現在の建玉報告によると、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)通貨先物市場において、投機筋の円のネット枚数(円の買い建玉と売り建玉の差)は、57,297枚のショートで、円の売り持ち残高が多い状況です。ドル換算にすると、約64億ドル相当のドル買い持ち(円の売り持ち)になります。

しかし、前週比で円のネットショート枚数は21.5%(約17億ドル)縮小。この週はドル円が107円台前半へと下落して年初来安値を更新。トレンドが円高方向へ変わったと考えた投機家が円ショート(ドル円の買い持ちポジション)を解消したと思われます。しかし、ドル円は翌週には早くも111円台に戻しました。来週までにIMMのポジションがどう変化しているのか、次回のレポートも注目したいと思います。

売買別では、買い建玉(円ロング)が前週比約14.0%減少。一方売り建玉(円ショート)は前週比約18.5%縮小。

IMM円  2015.09~2017.09

 


ユーロ:ユーロのネットロングは、ECB会合を経て1割減

  • ユーロのネット枚数(ユーロの買い建玉と売り建玉の差)は86,058枚のロングで、ユーロの買い持ちが多い状況が続いています。
  • ユーロ換算にすると、約107億ユーロの買い持ち(=約128億米ドルの売り持ち)。
  • ネットロング枚数は、前週比で10.6%縮小しました。
  • 売買別では、買い建玉が前週比2.0%減り、売り建玉は6.5%増えました。ECB会合後のユーロドルは1.20ドル台乗せましたが、投機家はロングを積み増すより、まずは利食いに動いたようです。また新規の売り持ちポジションも増えました。

IMMユーロ  2015.09~2017.09

 

豪ドル:豪ドルのネットロングは漸減

  • 豪ドルのネット枚数(豪ドルの買い建玉と売り建玉の差)は63,033枚のロングで、豪ドルの買い持ちが多い状況が続いています。
  • 豪ドル換算にすると、約63億豪ドルの買い持ち(=約50億米ドルの売り持ち)。
  • ネットロング枚数は、前週比2.9%減少しました。
  • 売買別では、買い建玉が前週比1.6%減りましたが、売り建玉は前週比0.6%増えました。

IMM豪ドル  2015.09~2017.09

 


ポンド:ポンドのネットショートは、減る

  • ポンドのネット枚数(買い建玉と売り建玉の差)は、46,085枚のショートで、ポンドの売り持ちが多い状況に変わりはありません。
  • ポンド換算にすると、約28億ポンドの売り持ち(=約39億米ドルの買い持ち)。
  • ポンドのネットショート枚数は、前週比で12.9%減少。
  • 売買別では、買い建玉が前週比26.6%増えたのに対して、売り建玉も前週比7.1%増えました。
  • 今回のレポートにはBOE会合の日付は含まれていません。会合後のカーニー・BOE総裁の発言によって、マーケットでは、英国の年内利上げが、がぜん盛り上がっています。今後買い建玉が増えていくのか、次回のレポートに注目したいと思います。

IMMポンド  2015.09~2017.09