今週の予想

クリスマスで商い薄く、先週に続き2万4,000円水準のもみ合いか

 今週も米中通商協議の合意を好感しながらも、日米の経済指標に着目しながら2万4,000円水準でのもみ合いが続くことになりそうです。

 基本的にはクリスマス休暇で商いは細ってくる上に、クリスマス前の手じまいも出てくるため、2万4,000円台を回復する場面があっても持続は難しいと言えます。

 需給から見ても、8月6日の2万110円を安値とする一本調子の上昇は、裁定売り残が裁定買い残を上回る現象が続いたことで、買い戻しも大きな上昇要因となっていました。これが12月16日で解消し、買い戻しエネルギーが縮小しています。

 為替は1ドル=109円台で落ち着いており、円高で売り込まれる流れはなく、かといってバブル後の最高値の2万4,448円を試す材料もないため、もみ合いが続くことになります。

 今週、動きがあるとすれば26日(木)が12月の権利付き最終売買日ですので、ここから動きがある可能性もあります。

 23日の日経平均は、米中通商協議の進展期待の高まりや、前週末の米主要株価3指標が連日で最高値を更新した流れを受け、寄り付き直後には+106円の2万3,923円まで上昇。その後、利益確定売りに押され、大引け間際にはマイナスに転じる場面もあり戻りは鈍く、大引けにかけて小高い水準でこう着状態となり、+4円の2万3,821円で引けました。

 海外投資家のクリスマス休暇入りの影響などで薄商いとなり、東証1部の売買代金は1兆4,998億円と、9月3日以来の1兆5,000億円割れ。出来高は9億5,578万株と10億株割れとなり、騰落銘柄数は値上がり586銘柄、値下がり1,486銘柄、変わらず86銘柄となりました。

(今週の指標)日経平均株価

 米国ではクリスマス休暇が継続しており、薄商いの中で高値圏のもみ合いが想定され、日経平均は、先週に引き続いて日米の経済指標に着目しながら、2万4,000円水準でのもみ合いとなりそうです。24日には日中韓首脳会談が行われるため、日韓の関係改善が見られる内容になれば安心感は広がります。

 米国株は最高値圏にあるため、昨年のクリスマスには、世界経済の減速懸念から急落したので、少し注意を要するところです。

(今週の指標)NYダウ平均株価

 米中両国の対立が一服して良好な相場が継続する環境にあります。しかし、連日史上最高値を更新するものの、クリスマス休暇で市場参加者が少なく、また、節税目的の損失確定売りが出やすい時期であり、小幅な値動きに終始し、上値の重い展開となりそうです。

(今週の指標)ドル/円

 クリスマス休暇で市場は閑散でも、ドルは底堅い動きとなる可能性があります。米中通商協議の合意により国際貿易環境の改善を見込んで主要通貨(ユーロ、豪ドルなど)が対ドルで強い動きを見せると、対円でドルが買われることになります。クロス円レートの上昇は、対円でドルを押し上げる可能性もあります。

先週の結果

先週は2万4,000円水準からは上値の重いもみ合いで終了

 先週の米国株式は米中合意期待が継続して株価は最高値更新が続きましたが、為替は逆に109円台前半の円高に振れたことで上値は重く、2万4,000円手前でのもみ合いとなりました。

 今週の日足は右肩下がりの陰線が並び、下値は堅いものの上値も重い状況でした。クリスマス休暇を前に大型株は動きにくく、業績の良い中小型株中心の相場となっていました。

12月16日(月):利益確定売り先行で3日ぶりの反落となり、▲73円の2万3,950円まで下げ、一時上げに転じる場面もありましたが、買いが続かず▲70円の2万3,952円で引けました。 

17日(火):16日の米国市場では、合意文書への署名が早まれば年明けにもなされるとの報道を好感し、主要株価3指標4日続伸で史上最高値更新が続いたことで、日経平均は+138円の2万4,091円で寄り付きました。しかし、すぐに利益確定売りとなるものの、年初来高値を更新し、上海株式がサポート要因となって+113円の2万4,066円となりました。 

18日(水):17日の米国株は主要株価3指標とも小幅続伸となっていたものの、日本市場は利益確定売りが優勢となって、▲42円の2万4,023円で寄り付き、後場になると高値警戒感から下げ幅を拡大。一時▲146円の2万3,919円まで下落し、▲131円の2万3,934円と反落しました。 

19日(木):18日の米国市場では高値警戒感からNYダウ平均株価とS&P500種株価指数は5日ぶりの反落となったことで、日経平均は▲22円の2万3,911円で寄り付くと、手控えムードの中、ジリ安が続き、▲99円の2万3,835円まで下げるともみ合いとなり、終値は▲69円の2万3,864円の続落となりました。 

20日(金):19日の米国市場では、トランプ米大統領の弾劾訴追決議案が可決したにもかかわらず全く影響なく、米中通商交渉が進む期待で株価は最高値更新に。日経平均は小幅高で寄り付くも、為替の1ドル=109円台前半を嫌気し、すぐに下げに転じて、▲118円の2万3,746円まで下げました。その後は下げ幅を縮小し、プラス圏入りとなるも買いが続かず、▲48円の2万3,816円と3日続落で引けました。

 日本市場引け後の米国市場は、主要株価3指標の最高値更新が続きました。米中両首脳の前向きな発言、トランプ大統領の「習近平主席とともに前向きな話し合いができた。中国はすでに米国の農産物の購入を開始した」、さらに習近平中国国家主席の「合意は両国のみならず、世界経済にとっても良いことだ」などの発言がありました。

 PCE(個人消費支出)の速報値が上方修正されたことで主要株価3指標の最高値更新が続きました。シカゴの日経先物は+90円の2万3,810円でした。