日経平均は売りに押され、2万4,000円台に乗せきれず
先週末12月20日(金)の日経平均は2万3,816円で取引を終えました。前週末終値(2万4,023円)からは207円安、週足ベースでは4週ぶりの下落です。
いわゆる米中「第1段階の合意」成立が引き金となり、日経平均株価は前週末に昨年10月以来となる2万4,000円台乗せを一気に実現させ、さらなる株価の上値トライの雰囲気も強まっていましたが、実際に先週の相場展開は慎重な動きとなりました。
早速、いつものように下の図1にある日足チャートで足元の状況から確認です。
■(図1)日経平均(日足)の動き(2019年12月20日取引終了時点)
先週の日経平均の推移を振り返ると、週の前半は2万4,000円台の攻防、そして後半はやや売りに押される展開となりました。
こうした動きはローソク足と5日移動平均線との位置関係で捉えるとより明確になります。前半は5日移動平均線がサポートとなっていましたが、後半は抵抗に転じています。また、ローソク足の形状も先週の5本の線(5営業日)がすべて陰線であることから、あまり買いの勢いが出ていなかったことが分かります。
もっとも、先週の日経平均は17日(火)の取引で年初来高値を更新する場面はあったのですが、12月13日の大きな陽線の範囲内での推移が中心となっていました。
今週は海外市場がクリスマス休暇に入るタイミングのため薄商いが見込まれますが、先週のような横ばいの展開が続くのか、再び上値をトライするのか、それとも株安の調整入りとなるのかなどの方向感の見極めが焦点になります。
横ばい・下落の可能性:年末までは足元の株価水準を維持?
まずは、横ばいの継続・下落に転じてしまう可能性について考えてみたいと思います。
■(図2)日経平均(日足)の動き その2(2019年12月20日取引終了時点)
上の図2は期間が長めの日経平均の日足チャートです。ここで注目するのは株価の上昇局面が比較的長く続いた局面です。約1~2週間のもみ合いを経て天井圏を形成している場面が多く見られます。
足元の状況をこのパターンに当てはめるのであれば、まだ数日間のもみ合いが続いてもおかしくはないですし、今年の残りの営業日数を考えると、株価が大きく動くのは年内ではなく、年明け以降になるのではないかと考えることができます。したがって、日柄調整のペース的には余程の悪材料が出てこない限り、年末まで足元の株価水準を維持していくというのが基本的な見方になりそうです。
上昇の可能性:米国株の楽観ムードはしばらく続く?
次に、株価が上昇していく可能性については、米国株上昇の流れについていくという考え方になります。実際に先週のNYダウ平均株価は史上最高値を連日で更新する場面があるなど、とても好調です(下の図3)。
■(図3)NYダウ(日足)の動き(2019年12月20日取引終了時点)
とはいえ、先週の日経平均は米国株上昇の勢いに乗り切れていない面があるため、株価が上昇したとしても、「閑散に売りなし」の結果による部分が大きいことは意識しておく必要があります。
また、今年に入ってからのNYダウの上値同士を結んだ線と足元の株価の位置を確認してみると、そろそろ上昇の一服が意識され始めてもおかしくはなく、上値余地が限られてしまうかもしれません。
短期的には上値の重さへの意識が強まりそうですが、週足に視点を切り替えると少し違った風景が見えてきます。
■(図4)NYダウ(週足)の動き(2019年12月20日取引終了時点)
週足でみると、NYダウは11月に上値同士を結んだ線を上抜けて、足元の史上最高値更新へとつながっています。米国株の楽観的なムードはしばらく続く可能性があります。
次の調整局面入りには十分注意を
そして最後に再び日経平均のトレンドを見ていきたいと思います(下の図5)。
■(図5)日経平均(日足)の動き その3(2019年12月20日取引終了時点)
これまでのレポートでも紹介してきた通り、中期的な日経平均は8月下旬に底打ちしてから上昇トレンドを描いています。この値動きをエリオット波動の動きに当てはめてみると、足元は「上昇第5波の途中」にあると考えられます。
このまま株価が下落してしまえば、「下落第1波」へと移行したことになりますし、株高となれば「上昇第5波」が継続することになります。「掉尾の一振」に期待したいところではありますが、いずれにせよ上昇第5波が終了すれば下落第1波へと転じることになりますので、次の調整局面入りには十分注意しておく必要がありそうです。
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