今回のテーマは逆日歩の計算日数についてです。株式取引には注文を発注して取引が成立した日である「約定日(やくじょうび)」と、約定した取引の資金や株券をやり取りする「受渡日」がありますが、逆日歩の計算日数は受渡日ベースで行われます。約定日も受渡日も大きな違いはないように思えますが、タイミング次第では「え?」という状況があります。
いちばん多いのは「火曜日に新規建て、もしくは建玉を保有し続けた」ケースです。株式取引の受渡日は、「約定日(T)から起算して4営業日目」になります。「T+3」という別の言い方をしたりします。また、営業日という言葉にあるように、土日祝日は受渡しが行われません。つまり、火曜日が約定日となる取引の受渡日は金曜日、翌水曜日の受渡日は翌週の月曜日になります。
具体的に、逆日歩の日数は「受渡日から受渡日前日までの日数」で計算されるため、火曜日に保有している売り建玉に逆日歩が発生した場合、逆日歩の計算日数は金曜、土曜、日曜の3日分かかることになります。
別の言い方をすれば、金曜日に新規の売り建てをし、翌週月曜日に返済した場合には、約定日の間隔が空いていても、受渡日がそれぞれ水曜日と木曜日になるため、逆日歩の計算は1日分となるわけです。
図1 逆日歩の日数計算~受渡日から受渡日前日まで
少し話が変わりますが、実は受渡日ベースで計算されるのは逆日歩だけではありません。信用買い建て取引に発生する金利や、信用売り建て取引の貸株料も同様になります。
ただし、こちらは逆日歩とは異なり、「受渡日から受渡日まで」で日数計算が行われます。後者の受渡日を含める分、逆日歩の日数計算よりも1日多くなるという微妙な違いではありますが、その日のうちに取引を手仕舞う「日計り取引」をした際、金利と貸株料は1日分として計算されてしまうという決定的な違いでもあります(逆日歩は計算されません)。
図2 金利・貸株料の日数計算~受渡日から受渡日まで
ちなみに、逆日歩の日数計算を「片端入れ(かたはいれ)」、金利や貸株料の日数計算の日数計算を「両端入れ(りょうはいれ)」といいます。受渡日から受渡日の片方だけで計算するのか、両方含めて計算するのかを示した表現といえます。また、年末年始や大型連休の時期には、「思っていたよりも金利や逆日歩のコストが発生していた」ということも有り得るため、日数計算のしくみは是非押さえておきたいポイントです。
≫≫1分でわかる信用取引14【信用取引の決済】現引(げんびき)、現渡(げんわたし)とは(その1)
▼信用取引についてもっと知る
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。