早いもので2019年も終わり。秋口以降の株価上昇で、今年は気分良く終われそうです。2019年を振り返りつつ、2020年の株式マーケットをどう攻略するか、考えてみたいと思います。

2019年振り返り

前半:下げ予想がそれほど下がらず

 2019年の株式マーケットは、2018年末の株価急落を受けてのスタートとなりました。日経平均株価は1月から4月まで上昇しましたが、その間の個別銘柄の動きはあまりよくありませんでした。その後5月以降8月までは、日経平均株価も個別銘柄もさえない状況でした。

 筆者は、2018年末の株価下落の動きから、アベノミクス相場が終えんした可能性が高いとみて2019年は個別銘柄への空売りを仕掛けていましたが、思ったほど個別銘柄の株価は下がりませんでした。

 2019年に入って8月ごろまでは、個別銘柄の株価はあまり上昇しなかったが大きく下がるものも少なかった、というのが実情です。買っても売っても上手く行かないという、非常に難解な時期だったといえましょう。

後半:株価動き出すも割安株、景気敏感株メイン

 株価が大きく動き出したのが9月に入ってからです。8月に安値を付けたあと、日経平均は大きく上昇し、9月には7月の戻り高値を、そして10月には4月の高値を超えて年初来高値を更新しました。

 それまで株価が低迷していた割安株、景気敏感株や東証1部大型株が上昇の中心でした。そのため中小型成長株をメインに投資している筆者としては、株価上昇の恩恵はあまり受けることができませんでした。

 その後11月中旬になり、遅ればせながら中小型成長株にも資金が回ってきて株価上昇となったため、筆者も利益を膨らませることができました。

2020年予想「誰にも分からない」

 こうした状況を踏まえ、2020年をどう乗り越えるかの戦略を考えてみましょう。「将来は誰にも分からない。誰も予想できない」と考えているため、どう投資で勝てるかを常に考えています。

 例えば2018年の10月以降に株価が急落する前は、逆に株価は上昇していて日経平均はアベノミクス相場での高値を更新していました。このとき、専門家、評論家の方の多くは「年末に向けて株価は上昇する。日経平均株価は2万5,000円に達する」と予想していました。

 ところがその後株価は大きく下落し、日経平均は2万円割れになりました。

 筆者もアベノミクス相場の高値を更新したばかりの日経平均株価が、わずか3カ月で20%も下落するとは思ってもみませんでした。

引き続き株価についていく。そうすれば心配ない

 筆者は、2018年10月の株価下落では、直前にはかなり大きな金額を投資したので多少の損失は生じました。しかし、下落の初期段階で売却して難を逃れました。逆に空売りを実行して利益を確保しました。

 また今年9月以降の株価上昇も、しっかりと持ち株を保有継続し、利益を伸ばすことができています。

 なぜそれができているか。答えは簡単で、「株価についていく」ことを徹底しているからです。

 2018年10月以降の株価急落を予想できた人も、今年9月以降の株価急上昇を予想できた人もほとんどいませんでした。

 でも、株価急落の初期段階で25日移動平均線は割り込みますし、株価上昇の初期段階で25日移動平均線を超えてきます。移動平均線を超えたら買って、超えている間は持ち続ける。移動平均線を割り込んだら持ち株は売って、割り込んでいる間は買わない。たったこれだけです。これが「株価についていく」ということです。

 添付のチャートをご覧ください。現在は多くの銘柄が上昇トレンドにありますが、25日移動平均線で上抜けたのタイミングで購入すると、保有を続けるだけで利益が膨らんでいくことが分かります。

 また25日移動平均線を下抜けのタイミングで売っておけば特段問題なく切り抜けられます。そしてまた、上抜けで購入をすればいいのです。

出所:楽天証券 参考:サイバーステップ(3810)期間:2019年6月11日~12月10日

 専門家、評論家の予想は当たることも外れることもあります。もし予想を信じた結果、予想が外れたら大きな損失を被る危険もあります。

 だから、「株価が上昇している間は株を持ち続ける。値下がりに転じたら売る」のです。とにかくこれを徹底すれば、長期上昇相場やバブル相場になれば利益を増やすことができますし、大きな下落になったとしても下落の初期段階で撤退することができます。

決して将来を決めつけないこと

 2020年になっても筆者のスタンスは決してブレません。株価についていくのみです。強いて言えば、バブル相場になる可能性もあるのではないかと思っています。

 国内外の景気はあまりよくありませんし、懸念材料もたくさんあります。オリンピックが終われば景気が大きく落ち込むとの観測も根強いです。消費増税による個人消費の大きな落ち込みも報道されています。

 株価がここから大きく上昇するイメージはなかなかつかめないのが正直なところではないでしょうか。

 しかし金融経済が肥大化し、株価が必ずしも景気と連動しなくなってきました。「不景気の株高」という言葉もあります。景気が明らかに悪化したら、さらなる金融緩和を中央銀行が実施する可能性も高いです。

 現時点では多くの個別銘柄の株価は上昇トレンドですから、筆者は保有を続けます。2020年も上昇トレンドが続けば引き続き保有をして利益を伸ばし、下降トレンドに転じたら持ち株は売却して損失を最小限に抑えます。

 株式投資で最もしてはいけないことの1つが「将来を決めつける」こと。もしそれが外れたら、大きな利益を取り逃したり、大きな損失を被ることにつながります。

 大きな利益を得たい、そして損失を最小限に抑えたい…。将来を予想するのではなく、株価の動きについていくことをお勧めします。