1-10月の航空券予約数は7.5%増と堅調、株価連動型報酬を実施へ

現地コード 銘柄名
00696

中国民航信息網絡

(トラベルスカイ・テクノロジー)

株価 情報種類

 19.62HKD
(12/4現在)

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 最新業務統計によると、トラベルスカイ・テクノロジーの航空券予約取り扱い数は19年1-10月に前年同期比7.5%増と順調に伸びた。一方、同社は管理職を対象に、「ストック・アプリシエーション・ライト(SAR)スキーム」を行う計画。これは株価連動型報酬の一種であり、一定期間内に自社株価があらかじめ設定した水準を上回った場合、その差額分を金銭報酬として受け取ることができる仕組み。株主利益の追求に向けた経営チームのモチベーション強化が同スキーム実施の狙いという。BOCIはほぼ全航空会社を対象に、予約、発券、空港手続きといったITサービスを担う同社のビジネスモデルを盤石とみて高く評価。その他関連ビジネスについても高い利益成長を維持するとの見通しを示し、中国の長期的な旅行ブームと足並みを揃えた利益成長を予想している。前回のリポート以来、同社株価が26%上昇したことを受け、短期的な支援材料はほぼ株価に反映されたとしながらも、長期の成長潜在力が依然存在すると指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 1-10月の業務統計を見ると、国内航空会社向けの予約取り扱い数が前年同期比7.4%増、外国航空会社向けが9.9%増。10月単月では、前年実績が高水準にあった国内航空会社向けが前年同月比4.3%増にとどまる半面、外国航空会社向けが11.3%の伸びを示した。ただ、続く11月、12月には前年実績の低下に伴い、国内航空会社向けの予約が加速する見通しという。一方、全体で見ると、19年1-10月の予約数は前年同期比7.5%増と18年1-10月の同10.7%増から減速したが、外国航空会社に限ると加速傾向。平均運賃の上昇を背景に、1年前の1.7%増から9.9%増に上向いた。

 一方、同社は11月26日、第2弾となるSARスキームの実施を発表した(第1弾は11年に始まり19年8月に終了)。第2弾では、同社役員会は4,200万株分のSAR(発行済み株式総数の1.4%に相当)を約500人の中核スタッフに対して付与する計画。特定日にH株株価が行使価格を上回った部分が、1株当たりのアプリシエーション・ライトに相当する。同社はキャッシュで差額分を支給する予定であり、新株やオプションでの付与は行わない。なお、このスキームの実施に当たっては、国務院国有資産監督管理委員会(SASAC)による批准と臨時株主総会での事前承認が必要となる。

 BOCIは今回、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づいて設定した同社目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。この目標株価は19年予想PERで24倍に相当する水準となる。