「クイズで学ぶテクニカル指標(5)チャートの節を読む」をお届けします。

(1)まず、クイズです。

<クイズ> 勢いよく上がってきたH社とI社、買うならどっち?

(注:筆者作成)

(2)チャートの節(前回の高値)を抜けていないのは、どちら?

 H社には、何らかの材料か思惑があるようです。1ヶ月ごとに株価が急騰するのですが、1000円を抜くことができずに急落しています。現在、3回目の上昇で940円まで上昇していますが、まだ、前回の高値を抜いていません。したがって、ここで買うのは得策ではありません。その理由は以下の2点です。

  • 過去2回の急騰時に1000円で買った人たちは、その後の急落で「しまった!」と後悔しています。チャートの節(1000円)に近づくと「やれやれ助かった」と売ってくる可能性大です。
  • 売買高が過去2回の上昇時よりも少ないことが気がかりです。これでは、1000円での戻り売りをこなして上昇できるか確信できません。

(3)3度目の正直

 I社も、同じように3回目の上値トライで、1000円まで株価が上昇しています。I社は、既にチャートの節(前回の高値)を抜けています。出来高が高水準で、戻り売りをこなして上値トライしています。ここは買ってみておもしろいところです。その理由は以下の2点です。

  • 過去2回の急騰時の高値で買った人たちは、「しまった!」と後悔しています。ところが、その後3カ月が経過しているので、その間に売却した人も多いと思われます。
  • 売買高が過去2回の上昇時よりも大きく、新たな好材料が出ているようです。1000円台で、さらに上昇できそうです。

 暴落した株が再度上値をトライするには、ある程度の日柄整理(時間の経過)が必要です。時間がたつうちに高値で買い付けた人の損切りが進み、また、新たな好材料があらわれることもあります。本問のH社は日柄整理が不十分、I社は日柄整理が十分と言えます。

「クイズで学ぶテクニカル指標(1)~(5)」をお読みいただき、ありがとうございました。私がファンドマネージャーをしていた25年間に、実際に活用していたテクニックの一部を解説しました。

クイズで学ぶテクニカル指標で、脱!株初心者を目指そう!

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