今週の予想
今週は、米中協議の合意への流れが明確になるのかどうか注目
米中通商交渉の不透明感から合意期待が高まるかどうかに注目です。とはいえ、15日(日)の米中通商協議の追加関税の結果が出るまでは何とも言えず、本格的に動くのは来週になりそうです。
米政権が予定する、中国製品1,600億ドル(約17兆4,000億円)分への制裁関税が発動見送りとなれば、投資家心理が改善し、合意への期待で当面の上値となっている2万3,500円台を超え、11月26日の年初来高値2万3,608円を更新することになりそうです。
また、今週は10~11日のFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録公開、12日の英国選挙、13日のECB(欧州中央銀行)理事会と国外イベントが続きます。国内では13日に12月の日銀短観、メジャーSQ(特別清算指数)があります。
(今週の指標)日経平均株価
15日を基点に米中通商協議の影響を受け、大きく変動する可能性があります。両国の歩み寄りで合意期待が高まれば、11月26日の年初来高値を上回っていく動きとなりますが、15日に制裁関税発動となれば、米中関係悪化で日経平均は売られてくることになります。逆に見送られると合意の期待とともに上に抜ける展開となりそうです。
(今週の指標)NYダウ平均株価
米中通商協議の部分合意期待が高まれば相場は上へ、逆に15日の追加関税第4弾が具体化すれば株価は下へということになりそうです。他の要因では、先週末の11月雇用統計は予想を大きく上回ったことで、米経済の減速懸念は和らぎ、当面、利下げは遠のき中立要因となります。
(今週の指標)ドル/円
今週は上げ渋りの動きへ。11月米雇用統計が予想を大きく上回ったことで、米経済の底入れ感は高まり、利下げの打ち止め観測となっています。政策金利が長期に据え置かれるならば、ドル買いの見方ができます。一方で通商協議の合意が決定するまでは不透明さが残り、ドル売り要因となります。1ドル=108~109.5円のレンジを想定しています。
先週の結果
週始め年初来高値更新。しかし不透明な米中通商協議で2万3,044円まで下げて反発
先週は米中通商問題の合意への期待が好悪にぶれ、米経済指標も好悪入り交じったことで、日経平均は高値2万3,562円、安値2万3,044円の間での上下動となり、週の終値は+54円の2万3,354円で引けました。
12月2日(月):前週末の米国株が米中協議の先行き不透明さから主要3指標そろって下落したものの、シカゴの日経先物は+40円の2万3,330円としっかりしており、円安基調の中、中国の11月製造業PMI(購買担当者景況感指数)が改善し、米株先物も高かったことで+94円の2万3,388円で寄り付き、前場は一時+259円の2万3,553円まで上昇しました。そして後場すぐに、+268円の2万3,562円まで上昇し、その後も高値圏でもみ合いながら終値は+235円の2万3,529円となり、11月12日の終値での年初来高値2万3,520円を3週間ぶりに更新。 しかし、引け後の米国市場では、弱いISM(米供給管理協会)製造業やトランプ米大統領がブラジルとアルゼンチンからの輸入品であるアルミニウムと鉄鋼に関税を課すと発言したことを嫌気し、NYダウは▲268ドルの2万7,783ドルと大幅下落となりました。
3日(火):前日のNYダウの動きを受けて日経平均は、▲298円の2万3,231円で寄り付き、一時▲342円の2万3,186円まで下落しましたが、後場には日銀のETF(上場投資信託)買い期待もあって下げ渋り、▲149円の2万3,379円と反落して引けました。さらにこの日の引け後の米国市場は再び大幅下落となりました。それはトランプ大統領が「米中協議の合意に期限はなく2020年の大統領選挙まで延期できるとの考えを示唆」したことで、売り先行となり、NYダウは▲280ドルの2万7,502ドルと連続の大幅安となりました。
4日(水):前日のNYダウを受けて日経平均は、為替が108円台半ばの円高へ進行したこともあり、▲193円の2万3,186円で寄り付き、一時▲335円の2万3,044円まで下落。しかし日経平均の中身を見ると、大きな下げをしたものの、ファーストリテイリング1銘柄のみで日経平均を120円以上押し下げており、全体的にはしっかりした動きと言えます。終値では▲244円の2万3,135円の大幅続落。
5日(木):前日の米国市場で「12月15日より前に第1段階の合意が見込まれている」との報道や、原油高もあって3指標そろって好調な動きとなっていたことで、日経平均は3日ぶりの買いスタートで、+157円の2万3,292円で寄り付きました。米中の歩み寄りの期待が再浮上したことで、一時+228円の2万3,363円まで上昇しましたが、週末に11月雇用統計の発表を控え、+164円の2万3,300円と3日ぶりの反発となりました。
6日(金):前日の米国株式は11月米雇用統計の発表を控え、ほぼ変わらずの動きだったことで、日経平均は、+47円の2万3,347円で寄り付き、一時+112円の2万3,412円まで上昇した後は、前場の終値である2万3,361円近辺でこう着状態に。終値は+54円の2万3,354円と続伸して引けました。
引け後の米国市場では、注目の11月米雇用統計が予想を大きく上回る結果となり、失業率も2カ月ぶりに約50年ぶりとなる3.5%へ低下したことで株式市場は大きく上昇。NYダウは+337ドルの2万8,015ドルと、再び2万8,000ドル台を回復しました。一方で米中通商交渉はクドロー米国家経済会議委員長が「協議は進展しているといいつつも第1段階の文書に署名する準備はできていない」と述べ、シカゴの日経先物は+110円の2万3,530円でした。
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。