上昇局面で少しでも利益を得るなら「短期投資」
株価の動きそのものを投資基準とする見方もするべき時があります。それは、全体相場の上昇継続時です。
個別銘柄においても、株価は常に上げているわけではなく、下落する局面もありますが、ある特定の期間を取り出すと「こんなにも上げているのか!?」と驚かされる場合も多々あります。ただ、その様子を知ったとしても、急上昇を見て「もう下がるのでは?」と、さらなる上昇に対し懐疑的になる傾向もあると思います。
実はこのような不安心理は「永遠の課題」です。どれだけファンダメンタルズ分析をしても、テクニカル分析をしても完全に払しょくできるものではないでしょう。
大きな損失を抑え、少しでも上昇局面で利益を得るにはどうすれはいいのか? 方法論の前に「投資の概念」が必要とされ、それに最も近いのが短期投資ということになりそうです(例外はあります)。
短期間に上下する値幅は通常そう大きくないことから、「大きな損失を抑え、少しでも利益を得る」に近づくことになるという考え方です。ここでの短期投資とは「1~2週間」をイメージしています。従前より上昇を継続している銘柄(年初来高値更新銘柄や底値から明確に反発している銘柄)で、即座に売買できる程度の流動性を持っている銘柄を対象とすることになります。
分かりやすい例として主力株をいくつか取り上げます。
ソニー(6758・東証1部)の日足チャート
HOYA(7741・東証1部)の日足チャート
中外製薬(4519・東証1部)の日足チャート
全体相場の目立った下落局面を除き、2019年、ここまでほとんどの期間で上昇をキープしていると言っていい銘柄です。
もちろん、こうなることが事前にわかっているわけではないので、どの時点においても、おそるおそる買いに出ることになるでしょう。買った翌日に下落することもあり、どうしても不安が募る場合は無理をすることなく撤退するのが賢明です。半面、全体相場の流れに変化がなく、個別の悪材料もないと判断して保有することができれば、この3銘柄ではそれなりの利益を得ることになったでしょう。
このように考えると、見込み違いが起きた時に撤退することができれば、今の相場環境における上昇継続銘柄では大きな損を被る可能性は小さいという考えに落ち着きます。通常、昨日と今日、今日と明日で目の前の景色が一変することはありません。個人投資家の株式投資は必ず長く保有しなければならないものではなく、一つの銘柄で大きな値幅を取らなければならないものでもありません。すべて自由裁量でできるのです。
配当利回りや株主優待を一切考慮しない「値動きに着目した短期投資」というやり方もあります。ここでは「上昇継続傾向の10万円で投資できる銘柄」を参考として取り上げます。
短期投資で攻める!株価上昇トレンド継続中の10万円株
株価データは2019年12月4日終値ベース。
エスプール(2471・東証1部)
コールセンター等への人材派遣と障がい者雇用支援の農園販売が主力です。同様に障がい者支援を行う「LITALICO(6187・東証1部)」も急伸しています。
・エスプールの日足チャート
要興業(6566・東証2部)
東京23区を中心に、一般・産業廃棄物の収集運搬・中間処理やリサイクル事業を展開しています。
・要興業の日足チャート
MCJ(6670・東証2部)
低価格パソコン、周辺機器や通信機器の製造販売を展開しています。政府の「小中学生にパソコン1人1台配備方針」のテーマに沿う銘柄です。
・MCJの日足チャート
本多通信工業(6826・東証1部)
電子機器用コネクター専業メーカーで、通信向け多極コネクターに強みを持ちます。自動車電装化や自動運転化は同社の追い風になっています。
・本多通信工業の日足チャート
野村ホールディングス(8604・東証1部)
証券国内最大手です。今夏以降大きく出直る動きを見せていますが、それでも現在の株価水準は5年来安値から少し抜け出た程度です。
・野村ホールディングスの日足チャート
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