旗艦ブランド好調で199月中間期に36%増益、下期も好調持続へ

現地コード 銘柄名
03998

波司登国際控股

(ボスドン・インターナショナル)

株価 情報種類

 3.54HKD
(11/29現在)

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 波司登国際の19年9月中間決算は、売上高、純利益がそれぞれ前年同期比28.8%、36.3%の伸びを示した。旗艦ブランド「波司登」製品の46.2%の増収が好決算を支えた要因。BOCIは持続的な価値や技術イノベーション、販路管理能力の向上、広告宣伝の強化などを理由に、年度下期も販売増の勢いや顧客基盤の拡大が続くとの見方。20-22年度の予想売上高、予想純利益をそれぞれ1%、2-4%増額修正した上で、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 9月中間期には、中価格帯~ハイエンドシリーズの本格展開を受け、ダウン衣料の主力ブランド「波司登」の売上高が前年同期比46.2%増の23億元に達した。また、OEM部門の売上高も同21.8%増。既存顧客の取引継続率の向上が奏功し、OEM売り上げに占める大口顧客5社の割合は88%に達した。半面、レディース衣料部門は競争激化が響いて6.1%の減収だった。一方、中間期に特に目立ったのは、「波司登」ブランドのオンライン販売の急増。前年同期比70.9%増の3億500万元を記録し、同社全体の売上高の7%を占めた。

 中間期の粗利益率は前年同期を1.2ポイント上回る42.5%。「波司登」ブランドの粗利益率が前年同期の50.6%から52.9%に改善した上、売上全体に占める同ブランドの割合が51.5%から57.1%に上向いたことが寄与した。ただ、一部生産ラインをベトナムに移転したことに伴うコスト増が響き、OEM部門の粗利益率は17.7%から14.3%に後退。全体の粗利益率をやや押し下げる形となった。このほか、旗艦ブランドのリブランディングや販路の最適化に向けた費用増で、販売費の対売上高比率は25.2%と、前年同期比2.3ポイント上昇したが、一般管理費の同比率は9.7%から7.6%に低下。全体の営業利益率、純利益率はそれぞれ0.5ポイント、0.4ポイント改善した。

「波司登」ブランドの取扱店舗数は中間期に429店増加し(内訳は専門店401、委託販売店28)、全体で3872店に達した。新たに出店した専門店の内訳は、直営店が258店、第三者による経営が143店。BOCIはブランドイメージやショッピング体験の向上に加え、販売管理の効率化に寄与するとみて、直営店の増加を前向きに評価している。

 BOCIは20-22年度の予想純利益を2-4%増額修正し、21年度(20年4月-21年3月)の予想PER25.0倍をベースに目標株価を引き上げた。一方、レーティングの引き下げにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、新製品ラインの人気が予想を下回る可能性、販売費の予想以上の増大、レディース衣料ブランドののれん代減損費の計上を指摘。逆にレーティング引き上げにつながる要因としては、ファッションラインの成功や高価格の機能性衣料の販売増を受け、粗利益率がさらに上向く可能性を挙げている。