ETFと投資信託は似ています。
そもそもETFは日本語では「上場投資信託」ですので、商品自体は似ていて当たり前です。
今回は、そんな似ている投資商品であるETFと投資信託について紹介します。
どういった投資商品でどのような違いがあるのかわかりやすく説明しますのでぜひ最後まで読んで参考にしてください。
「投資信託」とは?「ETF」とは?
まずは、投資信託とETFについてどのような投資商品なのか簡単に説明します。
今さら聞けない「投資信託」って何?
投資信託とは多数の投資家から集めた資金で、様々な投資を行う商品です。投資信託という商品の中には様々な投資商品が含まれています。様々な投資商品をパッケージにした商品が投資信託です。
そのため、投資信託の投資対象は大変幅広く、例えば、全世界の株式に投資を行う投資信託や、世界中の株式と債券に投資を行う投資信託などもあります。更に投資信託は100円から購入することができます。
大規模な投資を少額から行うことができるというのが投資信託の魅力です。
個人で全世界の企業の株式を購入しようとした場合、膨大な資金が必要となり投資を行うのは現実的ではありません。
ですが、投資信託を利用すれば全世界の株式や債券、REITなどに簡単に投資をすることが可能なのです。
しかも100円といった少額取引ができますので、若い世代や学生であっても投資を行うことができます。
ETF(上場投資信託)とは?
ETFとは上場投資信託のことであり、投資信託と同じように1つの商品の中に様々な投資商品が入った投資商品です。
ただし、ETFは上場していますので株式と同じように市場で取引することができます。
ETFは株価指数などの指標に連動するように設計されており、東証に上場しているETFだけでも多くの種類がありますので、ここではETFの種類と指標について紹介します。
国内株式型
国内株式型のETFの主な指標は
・TOPIX(東証一部上場銘柄全てを対象とした指数)
・日経平均株価(日本を代表する225銘柄で構成された指数)
の大きく2つがあります。
TOPIXを指標とするETFには1306 TOPIX連動型上場投資信託などがあり、日経平均株価を指標とするETFには1321 日経225連動型上場投資信託などがあります。
海外株式型
海外株式型のETFの主な指標は
・S&P500(アメリカの大型株500銘柄で構成された指数)
・NYダウ(アメリカを代表する30銘柄で構成された指数)
です。
S&P500を指標とするETFには1557 SPDR S&P500 ETFなどがあり、NYダウを指標とするETFには 1546 NEXT FUNDSダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信などがあります。
その他のETF
取引をされることが多いのはこういった銘柄が中心ですが、その他にも中国株式やロシア株式を対象としたETFや、債券を投資対象としたETFなど様々なETFがあります。
ETFと投資信託の違いを比較
売買窓口が違う
投資信託は銀行や証券会社などで購入しますが、上場市場で取引されているわけではありません。
そのため、リアルタイムには取引を行うことはできません。
注文から約定まで日数がかかり、約定金額は約定した後でしかわかりません。
ETFは、投資信託と異なり株式取引を同じように市場で売買します。
注文は証券会社を通じて行いますが、証券会社はあくまでも仲介業者であって、証券会社から購入するわけではありません。
売買は市場で行うことになります。ETFは市場での取引となりますので、リアルタイムでの取引となり、取引価格についても指定することが可能です。
最低購入金額の比較
最低購入金額にも違いがあります。
投資信託は100円からでも購入が可能です。
ETFは取引単位が1株(10株などのものもあります)となりますので、基準価額によって最低購入金額が異なります。
基準価額が1万円であれば1万円で購入できますし、基準価額が2万円であれば2万円で購入可能です。
おおよそ、数万円が必要となるETFが多くなっています。
取引価格の変動と取引時間の違い
取引方法の違い【指値注文や信用取引はできる?】
投資信託は注文価格を指定できません。
注文する際には何円分を購入するのかのみ指定します。
基準価額が何円で約定したのかは約定した後にしかわかりません。
ETFは株式取引と同じように指値注文をすることが可能です。
また信用取引を利用することもできますので、取引方法としては株式取引を同じように取引できます。
購入時手数料・信託報酬の比較
投資信託とETFの購入時手数料・信託報酬を比較すると、購入時手数料は投資信託の方が安く、信託報酬はETFの方が安いことが多いです。
投資信託は最近ではネット証券で購入した場合は、多くの投資信託が購入時手数料無料で購入ができます。
一方、ETFは株式取引と同じ手数料体系となりますので、ほとんどの場合購入時手数料が発生します。
信託報酬についてはETFの方がコストは低いことが多いです。
同じ投資対象であれば、多くの場合ETFの方が信託報酬は安いでしょう。
NISAやつみたてNISAの対応は?
現状はつみたてNISAで購入できるETFがありません。つみたてNISAで購入できるのは一部の投資信託のみです。
NISAは投資信託・ETF共に購入することができます。
つみたてNISAは年間上限額が年40万円ですが、20年という長期間の非課税期間が適用されますので、年間投資金額が40万円以下なのであればつみたてNISAを利用した方が良いでしょう。
投資信託とETFはどちらがいい?
ETFを選ぶメリットと注意点
ETFを選ぶメリットは信託報酬の低さです。
信託報酬は投資をしている間継続的に発生しますので、長期投資になるほどコスト差が運用成績に表れます。
注意点としては、毎月決まった金額を投資できないという点と取引の都度自分で発注する必要があるということです。
ETFは取引単位が株数ですので、毎月1万円投資するといったことができません。
また、注文は毎回自分で行う必要があります。
投資信託を選ぶメリットと注意点
投資信託を選ぶメリットは利便性の高さです。
投資信託は自分の余裕資金に応じた金額分を購入することができますので、毎月500円でも5万円でも、自分の資金に応じて投資ができます。
また、積立注文を1度設定すれば後は自動的に毎月発注されますので、時間がかからないというメリットもあります。
注意点としては、ETFに比べて信託報酬が高いという点です。
同じ投資対象であればETFの方がコストは低いことがほとんどですので、コスト差が許容できる範囲か注意する必要があります。
まとめ
ETFと投資信託のメリットと注意点をまとめると以下のとおりです。
・信託報酬はETFの方が安い
・毎月一定額を投資できるのは投資信託のみ
・投資信託には積立注文という自動発注機能がある
ETFと投資信託のどちらに投資をするか悩んでいる方はぜひこの記事を参考にしてください。
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(森田賢一)
※この記事は2019年8月30日にマネラボサイトで公開されたものです。
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