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『法人企業統計』は、企業活動の実態を把握する目的で実施されている統計調査で、財務省から3カ月に1度発表されます。2019年7-9月期の『法人企業統計』によると、全産業(金融・保険業除く)の設備投資は前年同期比+7.1%と市場予想を上回り、12四半期連続のプラスとなりました。売上高や経常利益は減少したものの、生産能力増強投資や省力化投資などから設備投資はしっかりしています。
【ポイント1】設備投資は前年同期比+7.1%
GDPの基礎統計となる「ソフトウエア除く全産業」は前年同期比+7.7%
12月2日に発表された2019年7-9月期の『法人企業統計』によると、全産業(金融・保険業除く)の設備投資は、前年同期比+7.1%と市場予想(ブルームバーグ調査、同+5.0%)を上回り、12四半期連続のプラスとなりました。内訳をみると、製造業が同+6.4%と、4-6月期の同▲6.9%から持ち直し、非製造業は同+7.6%と前期の同+7.0%から伸び率が拡大しました。自動車、情報通信関連などの生産能力増強投資や人手不足に伴う省力化投資などから設備投資は堅調です。
GDP改定値を算出する基礎となり、注目度の高い「ソフトウエア除く全産業」の設備投資の前年同期比は+7.7%と、4-6月期の同▲1.7%からプラスに転じました。
【ポイント2】売上高は3年ぶりに減少
経常利益は減少幅縮小
全産業(金融・保険業除く)の売上高は前年同期比▲2.6%と、前期(4-6月期)の同+0.4%からマイナスに転じ、3年ぶりに減少しました。内訳は、製造業が同▲1.5%と前期の同▲1.2%から減速し、非製造業は同▲3.1%と前期の同+1.0%から減収に転じました。
経常利益は同▲5.3%と、前期の同▲12.0%から減少幅が縮小しました。内訳をみると、製造業が同▲15.1%と前期の同▲27.9%から減益率が縮小しました。非製造業は同+0.5%と、前期の同▲1.5%から小幅ながら増益に転じました。
【今後の展開】GDP改定値では設備投資が上方修正
『法人企業統計』の設備投資(ソフトウエア除く全産業)は、GDP改定値の算出の基礎データで、設備投資と民間在庫投資に反映されます。7-9月期の『法人企業統計』の設備投資が堅調さを示したため、12月9日に公表されるGDP改定値では、設備投資が上方修正されると予想されますが、GDP全体としては大きな修正は見込まれません。実質GDP改定値は1次速報(前期比年率+0.2%)と同程度とみられます。
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