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 12月13日に“Special Quotation”(『SQ』)を迎えます。前回の9月13日の『SQ』時には、ネット裁定残高が過去最高水準の売り超となるなどショートポジションが極めて高水準でした。『SQ』決済期日に向けては、買戻しが加速したことがけん引し日経平均株価は9連騰、1,368.1円上昇しました。今回も依然ショートポジションが高水準にあり、大きな悪材料が出なければ『SQ』に向けて買戻しが加速する可能性があります。

【ポイント1】『SQ』とは先物・オプション取引を決済するための特別清算指数

『SQ』前は変動性が高まる傾向

 12月13日に『SQ』を迎えます。『SQ』とは株価指数の先物取引やオプション取引などを、決済期日で決済するための「特別清算指数」のことを指します。

 投資家は『SQ』に向けて多様なポジションの決済等の対応を迫られます。『SQ』前に何らかの要因で株価が変動した場合にポジションを一気に解消する動きが出て、株価の変動率が大きくなる傾向があります。

【ポイント2】依然ショートポジションは高水準

ネット裁定残高はマイナス

『SQ』を迎えるに当たり、ポイントは先物売りの影響などで積み上がったショートポジションです。裁定売りは現物株を空売りするため、現物株の調達コストがかかるなど裁定買いに比べ実行のハードルが高く、ネット裁定残高のマイナスは過去3回しかありません。またいずれも6営業日以内に収束しました。今回は11月26日時点で▲0.69億株でピークよりは縮小しましたが、113営業日連続マイナスとなっており異例な状況です。

 空売り比率は一般に40%を超えると高水準とされますが、11月28日は40.2%です。3月5日~10月30日まで159営業日連続で40%超が続いたため、現物株のショートポジションは買戻し途上とみられます。

【今後の展開】『SQ』に向け日本株は買戻し加速か?

 今回は、ショートポジションの買戻しの途上で『SQ』を迎えます。また現状日経平均株価は年初来高値に近い水準にあるため、ショートポジションは大部分が評価損となっているとみられます。当限月のオプションの建玉をみるとコールは24,000円の建玉が多く、これを上回ると建玉の買戻しに加えて、先物などの損切りのショートポジションの買戻しが進み、株価の上昇が加速する可能性があります。ただし、その場合、ショートポジションの整理が一気に進み、株式市場の上昇局面の転換点となる可能性があり注意が必要と思われます。