前日(9月13日)の市況サマリー

ドル/円:材料がないのが良い材料

 地政学リスクとハリケーンが去るのと入れ替わりにマーケットにリスクセンチメントが戻ってきました。ムニューシン米財務長官が減税プランを提出したことも好感されました。実効性に疑問は残るものの、明るい材料が欲しかったマーケットは素直に反応して、米国株式は3指数すべてが史上最高値を塗り替えました。ドルにとっても追い風で、この日のドル/円は、110.68円まで値を伸ばし、3営業日で高値を更新。

ポンド:今夜のBOEは強気か?

 ポンド/ドルは下落。この日発表された失業率は悪くなかったのですが、労働賃金は伸び悩み。物価が上昇する一方で給料が上がらなければ、消費活動が後退するとの懸念が上値を抑えました。(チャート2)

 本日は、BOE(イングランド銀行)の政策金利発表があります。BOEは今回も据え置きの予定。ブレグジットで先行きが見えないのに利上げなんて、と思うでしょうが、BOEのMPC(金融政策委員会)には、利上げを主張しているメンバーも結構いるのです。特に今回は、8月のCPI(消費者物価指数)が予想外に上ぶれたことで、MPC委員から強気の発言を聞けるのではないかと期待が高まっています。

ユーロ:急失速

 ドルにとっての追い風は、ユーロにとっての逆風。この日のユーロ/ドルは大きく値を下げました。9月5日以来となる1.19ドルを下抜けると1.1872まで売られました。高値は1.1994ドルまで。

 

 

今日の注目指標:BOE、SNB、米CPI

今日は、BOE会合以外にも重要指標が多く発表されます。

 SNB(スイス国立銀行)は、本日の会合で政策金利を現行水準に据え置く見込み。スイスフラン安を反映して、インフレ見通しを上方修正すると見られています。ただし、利上げについては、ECB(欧州中央銀行)の出方を伺いつつ、少なくともECBが量的緩和を終了する前に行動することないでしょう。

 米国の8月CPI(消費者物価指数)も注目です。今月のFOMCでFRBが利上げを見送ることはもはや既定路線ですが、12月利上げはまだマーケットにくすぶっています。インフレ率が上昇していれば、一段のドル高の材料になることも考えられます。

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