資産最適化やホテル事業の復調がプラス、コアビジネスが2桁増益持続へ
現地 |
銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00308 |
香港中旅国際投資 |
2.76 HKD (9/7現在) |
BOCIは向こう12-18カ月にわたり、観光施設の買収やリゾート不動産の開発、資産の最適化など、チャイナトラベルに関する複数の支援材料が浮上するとみている。香港のホテル事業や文化施設事業の復調も向こう3年間、2桁増益に寄与すると予想。さらに、同社の保有不動産の価値がまだ、全面的に株価に反映されていないと指摘し、株価の先行きに対して強気の見通しを維持している。
BOCIは現在、同社の不動産価値を1株当たり1.10HKドルと推定しているが(珠海および安吉の保有地や香港ホンハムおよびモンコックの商業用不動産を含む)、今後の資産の最適化を理由に、大幅な上方修正余地があるとみている。例えば、香港・マカオに保有するホテル5軒の推定価値は現在、総額31億HKドル(1株当たり0.57HKドル)に過ぎず、20-30年前に建設されて以来、さほど大きく上昇していないという。また、同社はこの先、大手不動産デベロッパーと組み、深センや珠海など中国南部に商業用不動産やリゾート不動産を開発する見込み。BOCIによれば、国有資本系の同社は新規開発プロジェクト向けの土地取得において、同業他社より優位にある。
一方、同社のコアビジネスについて、BOCIは向こう2-3年間、10%台半ばの利益成長を達成するとみている。既存の観光施設(寧夏回族自治区の沙坡頭旅遊景区、河南省の嵩山景区など)のアップグレードに加え、香港のホテル事業の復調が背景。ホテル部門の利益は17年6月中間期に前年同期比58%増加したが、それでもピーク期の5割程度に過ぎず、この先一段の回復余地がある。また、同社経営陣は今後、赤字プロジェクト(揚州ホテルや鶏公山観光施設、深センのゴルフクラブなど)の処理を加速する方針を明らかにしている。
BOCIは同社がこの先、プロジェクトの採算性をより重視すると予想。例えば広西ナショナルホリデーパークについて、向こう2-3年以内にまとまった利益貢献が期待できるとした。また、16年に経営幹部らを対象とした1億7000万株分のストックオプション(発効済み株式総数の3%)を実施したことに言及し、これが国有企業としての強みを活かした成長戦略の実現というモチベーションにつながるとみている。
BOCIは買収観測を理由に、同社観光施設の目標PERを25倍に設定。さらに旅客輸送事業、ホテルおよび旅行代理事業の目標PERをそれぞれ12倍、15倍とし、その上でSTOP(サムオブザパーツ)方式に基づき、目標株価を算出した。同社株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。一方、レーティング見直しにつながる可能性のある同社の潜在リスク要因としては、優良買収候補の入札価格が上向く可能性、不動産などの新規ビジネス開発における履行リスクを挙げている。
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