豪C&A買収完了と石炭相場の堅調が追い風、利益見通し増額修正

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01171

エン州煤業
(イエンチョウ・コール・マイニング)

 7.80 HKD
(9/5現在)

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 エン州煤業は先週ようやく、豪コール・アンド・アライド(C&A)の買収を完了した。BOCIはこれを受け、C&Aの収益貢献を反映させる形で、エン州煤業H株の2017-19年の利益見通しを10-20%増額修正(A株については12-23%増額修正)。さらに、直近週に石炭価格が上向いたことに触れ、この先、利益見通しをさらに上方修正する可能性に言及した。また、目標株価を引き上げるとともに、現在株価の低バリュエーションを指摘。同社H株の株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 同社経営陣によると、18年の販売用石炭の生産量は、C&A買収効果で19%上乗せされる見込み。BOCIはC&Aの利益寄与を織り込む形で、同社の利益見通しを増額修正した。現時点では、のれん代償却はおそらく必要ないとみて、この要因を反映させていないが、仮に必要となった場合、利益上乗せ効果は7-11%に縮小する見通しという。一方、A株増資計画は18年に先送りされる見通しだが、同社はヤンコール・オーストラリアの新株引き受け用の資金10億米ドルを調達するため、すでにつなぎ融資を獲得している。

 山東省で最近、死傷者を出す炭鉱崩落事故が発生したことを受け、同省の炭鉱安全監察局は同種の炭鉱14カ所(年産計1410万トン規模)の操業を一時停止する方針を発表した。第16回党大会の開幕を10月18日に控え、関連当局は今後、さらに安全管理を強化する可能性が高い。こうした中、国内最大の石炭積み出し港・秦皇島では今週、山東省産の非微粘炭スポット価格が1トン当たり100元(10%)上昇。山西省産の高品位炭価格も同10元上向くという予想外の展開となった。石炭相場の予想以上の堅調を受け、BOCIは同社利益見通しの一段の増額修正もあり得るとしている。

 一方、BOCIはレーティング見直しにつながる可能性のある潜在リスク要因として、石炭相場が急落する可能性、生産コストが予想を上回る可能性――を挙げた。

 BOCIによると、同社H株のバリュエーションは17年予想PERでわずか4.7倍。予想配当利回り6.3%という極めて魅力的な水準にある。BOCIはまた今回、目標算出基準とする17年予想PBR(株価純資産倍率)を0.8倍から0.9倍に引き上げた上で、目標株価を上方修正した。新たに適用した予想PBR0.9倍は、最近の株価レンジにおけるハイエンド値に相当するが、同社の高ROE(株主資本利益率)を理由に、この目標レベルは妥当だとしている。一方、BOCIは同社A株に関しても同様に、算出基準となる17年予想PBRを1.4倍から1.8倍に修正し、これに伴い、目標株価を引き上げた。この1.8倍との数字も最近の株価レンジのハイエンドに当たるという。