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 日本を訪れる外国人旅行者の数(『訪日外客数』)を知るには、日本政府観光局(JNTO)が発表する『訪日外客数』が参考になります。11月発表の『訪日外客数』(2019年10月推計値)は、1-10月累計で2,691万人となり、昨年を上回りました。ただし、前年同月比では▲5.5%となり、『訪日外客数』が多い韓国の大幅減の影響が顕著となりました。東南アジア各国は前年同月比2桁増となりました。

【ポイント1】1-10月累計で2,691万人、前年同期比3.1%の増加

10月は前年同月比▲5.5%の249万7,000人

 JNTOが20日に発表した2019年10月の『訪日外客数』(推計値)は、1-10月累計で2,691万人となり、前年同期比+3.1%増加しました。

 一方、10月単月では前年同月比▲5.5%の249万7,000人となり、昨年10月の264万1,000人を下回る結果となりました。韓国人観光客が昨年10月は57万1,000人であったのに対し、この10月は19万7,000人となり、前年同月比▲65.5%にまで減少しました。

【ポイント2】韓国は減少、東南アジアは2桁増

ラグビーワールドカップで8万1,000人増加

 10月の『訪日外客数』を国・地域別で見ると、韓国の大幅な減少が目立ちます。最近の日韓情勢を背景とした航空便の減便や運休、訪日を控える動きに加え、韓国経済の低迷やウォン安傾向などもあり、韓国人観光客は大幅に減少しました。

 一方で、ラグビーワールドカップ2019の日本開催や東南アジアからの観光客が好調だったことは『訪日外客数』の押し上げ要因となりました。ラグビーワールドカップの出場国からの観光客は前年同月比で8万1,000人増加しました。英国が前年同月比85.6%増加したほか、豪州、フランス、カナダなども好調でした。

 東南アジアからの観光客も東京モーターショーや訪日プロモーションなどが貢献し、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシアなど全ての国で2桁増となりました。

【今後の展開】韓国人観光客の減少は続くも『訪日外客数』は昨年を上回る見込み

 日韓関係の冷え込みを背景に韓国人観光客の減少は今後も続くと見られますが、韓国以外の国からの訪日客数は総じて順調に推移しており、2019年の『訪日外客数』はこれまでのペースが続けば昨年の年間3,119万人を上回る3,200万人前後となり過去最高を更新する見通しです。