将来のことを考えると、毎月1万円は現実的にほしいところです。投資と聞くと毎月1万円だと少ないと感じるかもしれませんが、毎月5,000円投資術に比べると選択肢が一気に増えます。今回は投資初心者ができる毎月1万円の投資術商品選びをお伝えします。

税制優遇のある制度を活用すべき

 投資をして利益が出ると、その利益に対して20.315%の税金がかかります。

 しかし、つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)といった制度を活用すれば、投資で得た利益はそのまま非課税で手元に残ります。これらの制度には最低でいくらから利用できる、いくらまでしか利用できないなど、投資最低額や投資額の上限が設定されていますが、毎月1万円であれば、それらを気にする必要はありません。普通に投資を始めるのではなく、税制優遇のある制度を使わない手はないということが分かりますね。

つみたてNISAとiDeCoどちらからはじめればいい?

 投資初心者は、つみたてNISAとiDeCoのどちらを活用すればいいのでしょうか。

 今回の「毎月1万円」の場合は、つみたてNISAとiDeCoで5,000円ずつ投資することも可能です。両方活用するのもいいとは思いますが、老後資産を作りたいという目的であれば、iDeCoに集中した方がいいと思います。iDeCoは毎月の投資額が全て所得控除の対象になるため、節税メリットはつみたてNISAよりもはるかに高いからです。

「株式投資」よりも「投資信託」を選ぼう

 分散して長期にわたって投資をすることが資産運用の基本ですから、低い手数料で分散できる手段として投資信託を購入することをおすすめします。投資信託にはいろいろな種類がありますが、株式に投資しているものを選ぶのがよいでしょう。

 そして、その投資先は日本国内だけではなく、世界全体の株式市場に投資しているものがいいと思います。世界中に幅広く分散しつつ、世界各国の企業の成長の恩恵を受けましょう。例えば、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」であれば、購入する際も売却する際も費用が掛からず、世界中の企業の株式に投資できます。

 他にも「楽天・全米株式インデックス・ファンド」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などもおすすめです。米国企業にだけ投資すると分散ができていないと思う人もいるかもしれませんが、マイクロソフトやアップル、アマゾン、フェイスブックなど、米国企業の多くは世界中で稼いでいる企業が多いため、米国企業に投資をすることもまた世界中に投資しているに等しいといえるのです。

 一般的には年齢が若いときほど、投資資産の中で、比較的リターン・リスクが高い株式の比率を高め、徐々にその比率を下げる代わりに、リスク・リターンが低い債券の比率を上げていくのがセオリーと考えられています。若いうちは労働による定期的な収入を稼げる期間が長いため、資産運用で多少の損失が出ても耐えられますが、定年退職が近づくにつれて、将来労働で稼ぐ収入が減るため、徐々に運用資産を債券中心にして保守的な運用をしていくのです。

 ただ、自分で投資している資産の比率を変更していくのが面倒という方は、ターゲットイヤーファンドと呼ばれる種類の投資信託がおすすめです。ターゲットイヤーファンドは、自分がリタイアする年に向けて、自動的に資産配分を調整してくれる投資信託です。

※投資先は世界中の企業1,317社の株式(2019年10月末時点)

次のステージに向けた準備を

 投資にも慣れてきたら、毎月投資に充てる金額を少しずつ増やしていってもいいと思います。毎月積み立てる設定をしてしまうと、ついつい相場や経済ニュースなどを確認しなくなりがちです。

 それが積み立て投資のメリットではあるのですが、次のステージに向けて、自分が購入した投資信託が投資している国や企業のニュースをたまに確認してみたり、twitterでビジネスや投資系のアカウントをフォローして情報収集する習慣をつけてみましょう。
 そうすることで、自分のライフプランに適した投資対象を見つけることができるかもしれません。

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