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中国国家統計局は毎月、主要70都市の新築住宅価格動向を発表しています。この統計では、各都市別の『住宅価格』が指数で公表されます。2019年10月の『住宅価格』は上昇した都市が50と前月から3都市減少し、下落は前月から5都市増えて17都市となりました。政府による住宅規制が続いていることなどが影響して伸び率が鈍化したものの、プラスの伸びとなりました。
【ポイント1】10月の『住宅価格』は上昇した都市が減少
4大都市は上海、深センが上昇
中国国家統計局が11月15日に発表した2019年10月の「主要70都市新築住宅価格動向」によると、主要70都市のうち、『住宅価格』が前月比で上昇したのは50都市と、前月の53都市から3つ減少しました。
10月の70都市の新築『住宅価格』(一人当たり所得で加重平均)は前月比+0.46%と、前月(同+0.53%)から伸びが鈍化しました。4大都市では上海、深センが前月比で上昇し、北京、広州が下落しました。また、中古『住宅価格』の前月比も+0.13%と前月(同+0.27%)から伸びが鈍化しました。新築、中古ともに『住宅価格』の伸び率は鈍化しつつも、上昇が続いています。
【ポイント2】住宅規制が背景
『住宅価格』の伸び率が鈍化したのは、中国政府による住宅規制のためです。政府は不動産市場の過熱を抑制するため、投機的売買の管理強化や住宅ローンの規制などを行っています。
また、中国政府は、短期的な景気対策として住宅規制を緩和しない方針を決定していることから、住宅規制は当面続くと見られます。
【今後の展開】『住宅価格』は安定推移へ
米中貿易協議は足元で正式な部分合意に向けた進展が報じられるなど融和方向へ向かってはいるものの、依然として先行きには不透明感が残っています。また、中国の7-9月期実質GDP成長率が前年同期比+6.0%と前期から鈍化したことを始め一連の経済指標に弱さが見られるなど、中国経済は一段と減速しています。このことから、景気センチメントの回復には時間がかかると見られます。
一方で、中国政府は景気対策を継続し、景気失速を回避させると想定されることから、『住宅価格』は一時的に下落しても小幅にとどまると見られ、安定的な推移が続くと予想されます。中国では都市化政策や戸籍制度の緩和が進められており、大都市中心にサービス業での旺盛な労働需要があることも、住宅市況の下支えとなります。
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