日本株は強い動きが続いていますが多くの個人投資家はこれに乗れていません。それ自体は仕方ありませんが、「持っていない」としたらちょっとまずいかもしれません。

個人投資家の多くは今回の株価上昇に乗れていない!その実態とは

 9月から上昇が続いている日本株。日経平均株価や多くの個別銘柄は上昇トレンドが継続しています。

 しかし「日経平均の上昇の割にはあまり利益を得られない相場だな」と感じませんか?

 筆者は、個人投資家が実際どの程度の利益を上げることができているかを調べるために指標「信用評価損益率」を定期的にチェックしています。

 信用評価損益率は、個人投資家が信用取引で買った株の含み損益がどの程度あるかを表す指標です。この数値が改善傾向にあれば、多くの個人投資家にとって損失が縮小して利益が増えていることになります。

 この信用評価損益率、11月8日時点の数値は▲12.56%です。そして日経平均が上昇をスタートする直前である8月30日時点では▲15.93%でした。

 信用評価損益率が▲5%くらいまで改善していたら、個人投資家の多くが利益を伸ばしたという状況ですが、実際は株価のボトムから現時点まで3ポイントほどしか改善していません。ここから、個人投資家の保有株はあまり上昇していないことが分かります。

乗れなくてもよいが動かないのは良くない

 同じ株価上昇でも、個人投資家が利益を得やすい上昇と、利益を得にくい上昇があります。今年9月以降の株価上昇は、間違いなく後者のパターンです。ですから、利益が伸び悩んでいること自体はそれほど気にする必要はないと思います。

 しかしながら、この株価上昇の間に、何もせず手をこまねいているようでは問題です。

 確かに個人投資家としては利益を得にくい環境であるとはいえ、日経平均のみならず、多くの個別銘柄が上昇トレンドとなり、中には年初来高値や上場来高値にまで駆け上がっているものも少なくないからです。

 であるならば、上昇トレンドの個別銘柄をしっかりと保有して、できるだけ利益を伸ばすことを考えていかなければならないのです。

 それができずに9月以降の株価上昇に全く手を出せずにいる個人投資家が多いことに、筆者は危機感を感じてしまいます。

株式投資で重要なのは「攻め」と「守り」のメリハリ

 筆者は、株式投資で成功するために必要なのは「攻め時」と「守り時」のメリハリだと思っています。

 株価の上昇が期待できるときはしっかりと株式に資金を投じるべきであり、逆に株価の下落が懸念されるときは株式からキャッシュにシフトして守りを固めるべき、ということです。

 株価の上昇が期待できるのはいつかといえば、日経平均が上昇トレンドであり、個別銘柄の多くも上昇トレンドにあるときです。こうした状況では、実際に投資家が株を買っているため多くの株が上昇しています。その流れについていくべきなのです。

 一方、株価の下落が懸念されるのは日経平均や個別銘柄の多くが下降トレンドにあるときです。実際に投資家からの売りが大量に出ていることにより株価が下がっているわけですから、その流れに逆らって買い向かっているのは危険です。

現状の日本株は「大相場の入口」の可能性も?

 現状がどうなっているかといえば、11月15日終値でみると日経平均は上昇トレンド、個別銘柄の多くも上昇トレンドです。そして年初来高値更新銘柄の数も高水準をキープしています。

 このような状況では、ある程度は資金を株にシフトし、株を保有していなければまずい、というのが筆者の感覚です。

 9月以降の株価上昇にもかかわらずほとんど投資できていない、もしくはすでに保有株の大部分を売却してしまった…という方は、考え方を少し見直した方が良いかもしれません。

 今回の株価上昇がいつまで続くかは分かりませんが、いつかは大きなバブル相場が訪れます。バブル相場までは行かないまでも、半年とか1年間続く大きな上昇相場が訪れることもあります。

 この大きな上昇相場では、必ず日経平均や個別銘柄の多くが上昇トレンドになります。

 つまり、日経平均や個別銘柄の多くが上昇トレンドになっている状態というのは、「大相場の入口」の可能性があるということなのです。

 現在の状況は、大相場に発展するかどうかは分からないが、大相場に発展するならば必ず通るべき状況なのです。

 ですから、全く株に投資できていなかったり、すでに保有株をほとんど売ってしまっているとしたら、大相場に発展してもそれに乗ることができないことを意味しているのです。

大相場が来たら乗ることができるように常日頃から行動する

 大相場がせっかく来たのに乗ることができないのであれば、それは非常にもったいないことです。

 株式投資で上げることのできる利益の多くは大相場がもたらしてくれます。したがって、大相場が来た時に乗ることができるような投資行動を常日頃から心掛ける必要があります。

 大相場になるのであれば、必ず日経平均や個別銘柄は上昇トレンドになります。

 したがって、日経平均や多くの個別銘柄が上昇トレンドになっている状況は、大きな利益を得られる可能性があります。だからこそ、その間は株を保有している必要があるのです。

 筆者のブログの中で、筆者の投資可能資金のうちどの程度を株に投資しているかを表すものとして「ADA指数」を公開しています。仮にADA指数が50%であれば、筆者は投資可能資金のうちの50%を株に投資していることを表します。

 指数が高ければ高いほど筆者は強気であり、逆に低いほど筆者は弱気になっているということが分かります。

 このADA指数も参考にしていただき、皆さんも株式投資で攻めるべき時は攻め、守るべき時は守る、ということを心掛けてみてください。