10月は米国企業の決算発表が本格化!個人投資家に人気だった銘柄は?

 10月の米株式市場は、月初に世界的な景気後退懸念の高まりを受け、下落して始まりました。その後、10月中旬からは米国の決算シーズンに突入。個別銘柄においては決算内容により株価の明暗が分かれることとなりました。

 しかし、10月下旬からは米中貿易問題の進展期待が高まり、S&P500指数は終値ベースで10月30日に過去最高値を更新、NYダウも過去最高値目前まで上昇する展開となりました。

2019年10月 米国株式買付者数ランキング

順位 ティッカー 銘柄名 関連するテーマ
1 SPYD SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF ETF、高配当株式
2 T AT&T 通信、高配当、配当貴族
3 JNJ ジョンソン・エンド・ジョンソン ヘルスケア、配当貴族
4 MO アルトリア・グループ たばこ、高配当、配当貴族
5 KO コカ・コーラ 飲料、配当貴族
6 VYM バンガード・米国高配当株式ETF ETF、高配当株式
7 MSFT マイクロソフト クラウド、PC
8 MCD マクドナルド 外食、配当貴族
9 XOM エクソンモービル 石油、高配当
10 HDV iシェアーズ コア米国高配当株 ETF ETF、高配当株式
注釈:楽天証券内買付者数ベース。10月1日~10月31日、国内約定日ベース。

 そうした中、10月の当社内米国株式買付者数のランキングでは、先月の買付者数ランキング2位であった「SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF(SPYD)」が1位となりました。その他、2位の「AT&T(T)」や「アルトリア・グループ(MO)」など、高配当株銘柄が引き続き人気を集めています。

ランキング上位の銘柄について、直近の動きを確認

 買付者数ランキングのトップ5に入った銘柄について、銘柄概要や直近の動きをご紹介していきたいと思います。

SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF(SPYD)

出所:楽天証券ウェブサイトより

 買付者数ランキング1位の「SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF(SPYD)」は、S&P500指数の採用銘柄のうち高配当利回り上位80銘柄のパフォーマンスを計測する「S&P500高配当指数」に連動する投資成果を目指すETFです。株価は10月初めに36ドル付近まで下落後、その後は上昇傾向となっています。

 今月は、トップ10の中に高配当株式ETF(上場投資信託)が他に2銘柄あり、それぞれ対象指数などが異なりますので、下記にまとめてみましたので、投資の参考にしてみてください。

(出所)楽天証券ウェブサイトおよび各銘柄のファクトシートより
※純資産総額および予想配当利回りは2019年11月12日時点の数値

AT&T(T)

出所:楽天証券ウェブサイトより

 2位は、先月の3位であった米大手通信会社AT&T(T)となりました。株価は、2018年末まで下落傾向が続いていましたが、2019年に入り反発し、その後、上昇傾向が続いています。

 10月28日に7-9月期の決算発表と同時に、3カ年計画を発表しました。その中で、資産のポートフォリオ・マネジメントを行うことで、重要度の低い資産の売却によるキャッシュの獲得を行い、そのキャッシュを用いて債務の返済や増配を続けることなどを発表しました。また、不要なM&Aを行わない方針を示したことも市場に好感されたようです。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)

出所:楽天証券ウェブサイトより

 3位は総合ヘルスケア製品会社のジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)です。この銘柄は55年連続増配を続けている「配当貴族銘柄」です。ここ最近の同社の株価は128~134ドル程で推移しています。10月18日に同社製品のベビーパウダーに微量のアスベストが混入している可能性があるとして、ベビーパウダーの自主回収を発表し、株価は大きく下落(5%強)しました。しかし、その後、第3者の研究所2カ所が新たに検査したところ、アスベストは検出されなかったことを29日に発表し、株価は上昇し、最近は132ドル程となっています。

アルトリア・グループ(MO)

出所:楽天証券ウェブサイトより

 4位は米大手たばこメーカーのアルトリア・グループ(MO)です。「マルボロ」などの銘柄を製造しているほか、ワインの生産も行っています。配当利回りが7%を超える高配当銘柄として人気を集めています。

 ここ最近の株価は9月末まで下落が続いていたものの、10月に入り株価は反発。9月末ごろに40ドル付近まで下がっていましたが、最近は45ドル程まで1割程株価を戻しています。10月31日に発表した決算では、電子タバコメーカーのジュール・ラブズへの投資に絡み45億ドルの損失を計上し、第3四半期決算は赤字となりました。しかし、株価はその後もほぼ横ばいとなっています。

コカ・コーラ(KO)

出所:楽天証券ウェブサイトより

 5位はコカ・コーラ(KO)です。同銘柄は、世界的に有名であり、しかも株価は51.84ドル(11月11日終値)で、最低投資金額が5,657円程(1ドル=109.13円で計算。小数点以下切り捨て。)という少額から投資できるので人気となっていると思われます。また、55年連続で増配している「配当貴族銘柄」ということも魅力の1つです。

 10月の株価は53~55ドルの間で推移していました。10月18日に発表した決算では売上高が前年同期比8.3%増の95億1,000万ドルとなり、リフィニティブのアナリスト予想94億3,000万ドルを上回る結果となりました。「コカ・コーラゼロシュガー」などのミニ缶の販売が好調だったようです。