内蒙古昊盛煤業の持ち株比率低下、長期的にはプラス

現地コード 銘柄名
01171

エン州煤業

(ヤンジョウ・コール・マイニング)

株価 情報種類

 8.18HKD
(11/5現在)

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 内蒙古昊盛煤業有限公司の第三者割当増資に伴い、エン州煤業の同社に対する持ち株比率が77.74%から59.38%に低下する運びとなった。内蒙古昊盛煤業は内モンゴル自治区にある石拉烏素(Shilawusu)炭鉱の運営企業。BOCIは石炭増産を背景に利益貢献が見込める子会社の持ち株比率を削減するとの決定について、多少理解しにくいとしながらも、相応の見返りは期待できるとの見方。エン州煤業の20-21年の予想純利益を2%減額修正しつつも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 第三者割当増資に関する関係者間の合意内容を見ると、内蒙古昊盛煤業は西部新時代能源投資股フン有限公司(XNEE)から、総額27億4,000万元(権益比率にして23.61%)の出資を受け入れる。うち20億7,000万元分は4億トン規模の炭鉱資産による現物出資であり、残り6億7,690万元がキャッシュ。これにより、エン州煤業の持ち株比率は18.36%縮小することになる。

 石拉烏素炭鉱は19年半ばに申請項目全てに関して認可を獲得しており、今回の増資合意は、内蒙古昊盛煤業が生産量の拡大により、大きく利益に貢献するとみられたタイミング。ただ、エン州煤業の取締役会は18年9月の時点で、この増資計画に同意していた。XNEEは上海上場企業の億利潔能(600277)と、その親会社である内モンゴル自治区の有力企業、億利資源集団がそれぞれ35%、15%を保有する企業。BOCIは地元有力企業の資本参加により、石拉烏素炭鉱の商業生産に向けた認可プロセスの加速が期待できるとみている。

  エン州煤業の経営陣は持ち株18.36%のみなし売却について、あくまで株式取引の扱いであるために、利益に何ら影響はないとしている。BOCIは持ち株比率の低下による影響を反映させる形で、エン州煤業の20-21年の予想純利益を2%引き下げたが、この取引は内蒙古昊盛煤業の長期発展にはプラスとの見方だ。石拉烏素炭鉱に隣接する4億トン規模の炭鉱を取得できることが理由。少なくとも保有炭鉱の寿命を伸ばすというプラス効果が見込めるとしている。

 BOCIは19年予想PBR(株価純資産倍率)0.8倍を当てはめ、同社H株の目標株価を小幅に上方修正した。香港ドルに対する最近の元安が背景。一方、A株に関しては19年予想PBR1.4倍をベースとする目標株価を据え置いた。レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、石炭価格の急落、予想外のコスト増を挙げている。