197-9月期は48%増益、稼働状況や電力価格は20年も堅調維持へ

現地コード 銘柄名
01816

中国広核電力

(CGNパワー)

株価 情報種類

 2.04HKD
(11/1現在)

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 中国広核電力は19年7-9月期に、前年同期比48%の増益を達成した。季節要因がほぼ全面的に追い風となったことが背景。BOCIは19-21年の予想純利益を小幅に増額修正する半面、A株IPO(新規株式公開)の実施に伴う発行済み株数の増加を反映させる形で、予想EPSを下方修正。同社株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。

 7-9月期の売上高は前年同期比24%増と、電力販売量の14%増を上回る増収ペースとなった。BOCIは電力販売以外の売り上げが158%増加したと推定し、親会社が保有している恵州(広東省)プロジェクト向けの建設・設計収入の伸びが寄与したとみている。恵州プロジェクトは近々、当局認可を得る可能性があり、建設・設計収入は向こう2-3年にわたって拡大する見通しという。建設収入の比重の拡大は通常、粗利益率の低下につながるが、7-9月の粗利益率は想定をやや上回る水準。こうした点から、10-12月には関連コストの計上を受け、粗利益率が下向く可能性が高い。

 また、7-9月にはその他収入が前年同期比164%増の7億5,400万元に達したが、BOCIは増値税(VAT)還付分の回収が進んだことが寄与したとの見方。この傾向が続くかは不明だとしている。

 一方、稼働時間数や電力販売価格は20年も堅調を維持する見込み。設備投資の縮小を受け、フリーキャッシュフローも力強く推移するとみている。経営陣が「恵州プロジェクトの早期の買収」を選択しない限り、20年以降のフリーキャッシュフローの増加を背景とした配当性向の引き上げもあり得るとの見方だ(あるいは、より節税効果が見込める自社株買いを選択する可能性もある)。なお、同社株価は今のところ、陸豊(広東省)プロジェクトに関する投資家の懸念を反映した水準にある。陸豊で採用予定のAP1000型原子炉の不確実性がかなり強いことが理由。BOCIはこの先当面、米中通商協議の行方が投資家のリスクオン、オフ姿勢を左右するとみている。

 BOCIは19-21年の予想純利益をそれぞれ2%、6%、7%増額修正する半面、A株IPOに伴うEPSの希薄化を受け、予想EPSを3%、5%、4%減額修正した。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を据え置いた上で、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 レーティング見直しにつながる可能性のある潜在リスク要因としては、予想を下回る稼働時間数や電力価格“市場化”の影響、営業経費の予想以上の増大、整備・修理関連の減損拡大の可能性を挙げている。