上昇率ダントツ1位は天然ガス。下落率1位はビットコイン


 先週は、米国の寒波予報で暖房用消費が拡大するとの見方が強まり、天然ガス[商品]が+14.8%とダントツで上昇率1位になりました。一方、下落率1位だったのはビットコイン[暗号]です。週初は節目の10,000ドルを超えたものの、その後は週末にかけて利益確定とみられる売りが膨らみました。

 2019年10月28日(月)~11月1日(金)までの週のジャンル別騰落率

※楽天証券のマーケットスピードⅡのより楽天証券作成。(ビットコインを除く)
※ビットコインはCME(シカゴマーカンタイル取引所)の先物(期近)価格
※騰落率は、当該週の週足の始値と終値を参照して算出。(終値-始値)/始値

今週の見通し

 天然ガスの大幅上昇が目立った先週でしたが、そんな中、ナスダック[株式]S&P500[株式]NYダウ[株式]といった、米国の主要株価指数が揃って上昇した点も目立ちました。10月30日(水)のFOMC(連邦公開市場委員会)の声明文FRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見で明らかになった今年3度目の誘導金利目標の引き下げにより、今後、米国の景気が向上する期待が高まったためです。米中貿易戦争において、両国の協議が進展する期待が高まったことも、これらの株価指数の上昇要因とみられます。

 今週は、米中貿易戦争の具体的な貿易額への影響を知る手がかりとなる、米国と中国それぞれの貿易収支が公表されます。11月5日(火)に米国の9月の貿易収支11月8日(金)に中国の10月の貿易収支です。これらのデータに大きな改善が見られ、米中貿易戦争の負の影響が縮小していることが示唆されれば、株価、引いては景気に連動する傾向がある原油[商品]銅[商品]なども上昇する可能性があります。
 

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